第18章 異世界コラボ~銀魂編~
―――
「なんか難しい顔してますねィ」
「いや……一気にネックレスに近付いたと思って」
何時もならサボリを決め込む巡回なのだが。
珍しく真面目に仕事している沖田と、共に行動する敦の姿があった。
「アリスが動いただけでこうも事態が動くとはねぇ……」
「本当はもっと早く判ったかもしれないですね」
沖田の言葉に苦笑しながら返す。
「資料によればあのネックレスは最近出来たものでは無いようですからねェ」
「元々在るものに手を加えて新しいものを造ろうとしているってことですか?」
「多分。1から造るよりは効率が良い」
「でも具体的に何を目的としているのか判らないのでしょ?」
「ああ。資料には無かった。それから察するに○○はアリスを誘拐した連中を信用してなかったか、或いは全く関係ないかもしれねーですねィ」
「ってことは矢っ張り本人を探して問い詰める他無いんですね」
「そうなりますねぇ―………」
沖田の語尾が伸びる。
何かに気付いて、此方に注意がいったようだ。
「?」
敦もその方向を見た。
視線の先にあるのは小洒落た雑貨屋の様だ。
否、店に目がいったわけではない。
「アリス、これなんかどうアルか?兎が載ってて可愛いネ!」
「あ、本当だ!此れにしようかなー」
ニコニコしながらレターセットを手にして、続いてペンコーナーに移動していくアリスと神楽。
「にしても急にお手紙書きたいなんて……もしかしてラブレターアルか?」
ペンを選んでいるアリスに神楽がニヤニヤしながら問う。
「うん。そうなのー」
「えっ!?マジでか!冗談だったのに」
「マジだよー……総くんに」
「!?」
神楽がピタリと動きを止める。
それをチラリと見て、直ぐにクスクス笑った。
「冗談だよ」
「へ?」
「私の本当の恋人に書くんだ」
紺色のペンを1本取ってレジに向かうアリス。
神楽も少し遅れて続く。
「アリス、恋人居るの?」
「居るよ。すっごく意地悪で頭の中も腹の中も真っ黒な恋人が」
お金を払って品物を受け取る。
「犬とかいうオチ?」
「あはは。ちゃんと人間だよ」
「ほぇー!どんな…」
どんな人か訊ねようとしたのと、店から出たのが同じタイミングだった。