第18章 異世界コラボ~銀魂編~
「アリスちゃん。こんなところに居た」
神楽は目に入った人物を見て、言葉を飲み込んだ。
「あっくん。総くんも」
決して、声を掛けてきた方ではない。
「買い物ですかィ?」
「うん。手紙を書こうと思って」
「手紙?」
「うん。ラブレター」
ニッコリ笑って答えるアリスに沖田はポカンとしていた。そりゃそうだ。2週間で好きな人が出来るなど考えにくい。
しかし、敦が「ああ」と納得している様子からアリスには恋人が居るのだろうと想像がついた沖田は疑問を言葉にはしなかった。
「太宰さんに?」
「そう。クリスマスケーキを予約してたことを思い出したんだよー食べれなくても味の感想くらいは聞きたいからね」
「成る程。アリスちゃんらしいや」
苦笑しながら敦が頭を撫でる。
「太宰サン?」
「うん。私の恋人の名前」
ふおー!っと感心したのか驚いたのか。神楽が奇声を発した。
「総くん達はお仕事?」
「そうでさァ。お巡りさんは忙しい」
「フン。よく言うアル。いつもは公園のベンチで横になってサボってるネ!」
「万年仕事がないテメーとは違ってこっちは夜も遅くまで忙しいからねィ」
「人をニートみたいに言うなよチンピラチワワが!こっちだってまた浮気調査の仕事が入ったんだからナ!」
そう言って懐から1枚の写真を取り出す。
「「!?」」
その写真を見て、直ぐに顔を歪める敦と沖田。
「チャイナ。この男、最後は何処で見た」
「へ?」
写真を取り上げてすごい剣幕で迫る沖田。
その時にチラリと見えた写真の男を見て、アリスは溜め息を着いた。
「………そういうこと、か」
「アリスちゃん?」
「何でもないよ」
小さく呟いたアリスの言葉を聞き取れずに声を掛ける敦。
それにアリスは笑って返した。
「神楽ちゃん、先刻、コンビニで張り込みしたって云ってなかった?」
「あ……そうアル。彼処のコンビニで……その隣の路地に入っていくところまでで……見失ってしまったネ」
「路地か」
沖田はそれだけ云うと直ぐに走っていった。敦もそれに続く。
「待って!私もっ!」
「神楽ちゃんは私と手紙でも書こうよ」
「え……でも……」
自分の持っていた写真を持って、走り去った沖田の方を見たまま。