第18章 異世界コラボ~銀魂編~
数時間後―――
夜中に侵入騒動があったにも拘わらず、屯所は何時も通りの朝を迎えていた。
「あり?敦君って女装趣味がおありで?随分奇抜な髪型をしてますねェ」
「ち……違いますよっ!此れはアリスちゃんがっ……」
顔を洗いに来た敦に、それより少し前に居た沖田がツッコミを入れる。
敦の長い前髪が、可愛らしい髪ゴムで結ばれているのだ。
「アリスには頭が上がらないみたいですねィ」
「あはは…その通りです」
そう云いながら髪ゴムを外す。
「で?理由は?」
「判りません。夢で新八君達に逢えるまでこの髪型で寝るように云われたんです」
「ふーん」
夢かどうかは定かではないが、眠っている時に向こう側の2人に会えたことは真選組のメンバーにもよろず屋メンバーにも教えていた。
何か意図することがあるのだろうが……。
「そういえばアリスは?」
「何時も通り、居ません」
顔を洗って食堂に行く。
そして朝食を取り、会議が行われた。
資料を見付けたとして敦も特別に参加させてもらっている。
何時ものふざけた状態から始まったが、いざ本題に入ると空気が張り詰めた。
「昨日の連中は天人の密輸の手伝いをしていたことが判明した。ここ最近出回っている違法薬物にも関わっていた」
土方の説明で少しざわつく。
「そうして稼いだ金で『何か』を製作しようとしているようだ。この『何か』は判らないが良からぬものに違いねぇ」
そうしてホワイトボードに1枚の写真を貼る。
「副長。それは?」
「この男は○○ ○○。この開発に関わっているとされる人物だ」
数時間前に判ったばかりだと云うのにもう顔まで!?
敦は警察の捜査力に驚かされた。
そして少し疲れ気味でウトウトしている山崎が目に入る。
土方も気付いているが怒りもしないと云うことは恐らく山崎が情報を集めるのに一役買ったからなのだろうなと。
外れではない答えを頭に思い浮かべながら土方に視線を戻した。
「この男を見付け次第、連行しろ」
「「「「はいっ」」」」