第18章 異世界コラボ~銀魂編~
「その返しだとハズレのようですねィ」
「中り」
クスクス笑うアリスに怒りもせずに云う沖田。
「私は存在する目に見えないもの、又はその逆に属するものを自在に操る異能力者なんだ」
「異能力者……?」
「私達の世界には少なからず、こんな風に特殊な力を持っている人間が存在するんだよ。生まれつきか、或いは突然か。詳しくは誰も判らないけれど確かに存在する力」
「敦君の虎の変身もその異能力ってやつだったんですかィ」
「はい……僕は未だあまり制御出来ないんですけど」
ハハハと笑って答える。
「この世界の地球人はそんな力を持ってないみたいだった。最悪なことに、此処には『人間』…と云うか『地球人』以外の生命体が共存している。そんな力があれば地球人扱いしてもらえないかもしれないと思って黙ってたんだよ」
「成る程……アリス達の世界には異能力を持っていたとしても地球人しか存在しないからか」
「勿論、異国の人間は居るんだけどね。どちらにしろその土地に紛れられないなら『不法侵入』を疑われる」
「……。」
その通りだ。
志村姉弟と入れ替わった事実がなければ。
それを神楽が証言していなければ。
この2人の立ち位置は全く違うものになっていただろう。
それを短時間で分析できる思考力。
それを考慮して行動できる判断力。
「…それを踏まえて訊きたいんですけどアリスは何者なんですかィ?」
「……。」
沖田の質問に敦が緊張する。
疑われるほどにアリスが優秀だからだが……。
「私は今でこそ堅気の人間だけど、元々は裏組織の連中相手に商売していた商人さん」
「……何の?」
沖田の顔が険しくなる。
「『情報』」
「!」
「私は調べて欲しいと頼まれたものを高値で売り付ける『情報屋』」
思っていた答と違ったのか。
沖田の顔が元に戻った。
「納得してもらえたのかな?」
「納得でさァ。それならその知識量も判断能力も頷ける」
「他の人に話すかは総くんに任せるよ。でも先刻も云ったけど私はそろそろ帰りたい。その為に『今までのやり方』で情報収集に入ろうと思う」
「うーん…まあ、協力する約束ですしねェ」
渋々了承する沖田の返事。
「そうだ。じゃあ取引しようよ」
そう云って出された取引を沖田は了承した。