第18章 異世界コラボ~銀魂編~
「いくら高価な商品だとしても相手が欲しいと望まないならば売れない」
「うん。それはそうだね」
「それが貿易となると他の地から持ってくる手間賃だけ掛かってしまう。要は赤字だね」
「うん」
土方達が此方に気付く。
「それを避けるためには『相手が何を必要としているのか』知る必要がある」
「……そういうことですかィ」
「え?えっ?」
沖田が先に何か分かったかのように呟いた。
「天人たちには技術はあるかもしれないけれど、地球人の望むものの『知識』と云うのは矢っ張り地球人じゃないと判らないものと云うことだよ」
ニッコリ笑ってアリスが敦に云う。
「えっと……詰まり協力してるから地球人が必要としているモノが輸入されていると云うことかな?」
「そう。そして協力してるから違法のモノでも見付からない」
「何の話をしている!?」
途中から話を聞き、過剰に反応する土方。
「っていうか小娘!怪我は!?」
「ん?無いよそんなの。私に勝てる人なんてこの世にたった一人だけだし」
土方にそう云うとアリスは何事もなくスタスタと歩いていく。
帰るつもりらしい。
「あ、アリスちゃん!裸足!?」
「あ、そうそう。私、屯所の廊下を歩いてたら誘拐されちゃったんで靴なんて履けなかった」
「ごめんね気付かなくて」
敦がアリスの前に屈む。
「おー。おんぶしてくれるの?」
「うん」
嬉しそうにピョンっと敦の背中に飛び乗る。
「軽……」
「そうかな?治兄は最近『重くなった』って云うんだけど」
「それは……ほら。太宰さんは幼い頃のアリスちゃんを知ってるから」
「成る程……」
そんな2人の後方。
「……。」
「どうした総悟」
「………足」
「あ?」
鋭い目でアリスを観ている沖田に小声で話し掛ける土方。
「アイツの足、全く汚れてねェ」
「!?」
慌てて土方が凝視する。
真っ白。
こんな夜中だ。
靴下を履いて寝ていたとは考えにくい。
仮に履いていたとして、だ。
こんな寒いのに態々脱ぐ必要が有るだろうか?
「やっぱりアリスも只者じゃねーや」
沖田はフッと笑って2人に続いて行った。
……。
「って総悟!テメッ仕事しろォォォ!!」
土方の声が響いた。