第18章 異世界コラボ~銀魂編~
「ねぇねぇ。それならば宇宙からの密輸リストみたいなのって無い?」
「………在りません」
「そっかー」
答えた男に刀が注いだ。
「ぎゃーー!」
「「「!?」」」
脳天を少し外して右肩を貫く。
「私、嘘が判るんだー。先に教えてあげれば良かったね?」
クスクス笑って云う。
周りの男達が一瞬、自分達の頭上の刀を見る。
何時でも殺せる位置。
何時でも殺せる状態。
目の前に座る人形のように愛らしい子供は、嘘偽り無くやると言えばやる。
嘘を知らない無垢な子供と思えば可愛いが。
やることは殺る事だ。
とても同じ人間とは思えない残虐さを持つ子供。
天人ではないと云っていたが
同じ地球人とはとても思えなかった。
見た目だけじゃない。
―――中身が、子供を逸脱し過ぎている。
肩を貫かれた男が更に呻く。
刀がまた勝手に動き、定位置と云わんばかりに頭上に
浮いた。
「私、そのリストが如何しても欲しいんだよね。そうしないと前に進めないから。だからもう一度だけ聞いてあげる」
男達が冷や汗を流し始める。
「あ、若しリストがなかったら私は君達に用事なんか無いし捕まったとは云え、顔を見られてるからね」
それが一気に冷えたかのように次に襲うは悪寒。
先刻、自分達がアリスに対して吐き捨てた台詞と何ら代わりは無いのに、だ。
「リスト、在るかな?」
ニッコリ笑って云ったアリスが悪魔にしか見えなかった。
「御用改め!真選組だァァ!!」
凄い勢いで押し込んでくる隊士。
「……な……?」
全員が俯せで倒れていた。
侵入してきた男達……。
神楽…と間違えられたアリスを誘拐するために囮になった攘夷志士を尋問し、吐かせた拠点。
時間にして2時間も経っていない手際の良さだった筈だったが。
「副長……全員、眠っているだけのようです」
「………。取り敢えず連行しろ」
「はっ!」
何がどうなってる?
状況を掴めずに土方が周囲を窺う。
尋問した話では夜兎の女を誘拐するために囮になったと言っていた。
しかし、屯所に夜兎……チャイナ娘は居ない。
と、なるとだ。
「アリスちゃーん何処ー?」
この男の連れ。
パッと見ならば背格好が似ている小娘が代わりに誘拐された可能性が高いはず。