第18章 異世界コラボ~銀魂編~
「太宰の家で不便はないかい?」
「はい。とても良くして下さって」
薬品の整理をしながら妙が与謝野と話している。
「アリスが居たから部屋も片付いているだろうしねェ」
「そのアリスさんってどんな方なんですか?」
「おや?気になるのかい?」
「ええ。せめてその方が不在の間は代わりを勤められればと思って」
「真面目だねェ。しかし、代わりなど考えないで良いサ」
「でも太宰さんの負担にはなりたくないのです」
「うーん。そうは云ッてもねェ。アリスはやりたい放題やりたいことをする妹のような感じだから」
「妹……ですか」
妙がポツリと呟く。
「そう。太宰の事を『治兄』ッて呼んでついてまわッていた本当の兄妹みたいな感じだよ。太宰のために特に何かをしていたかと云えばしてないと思うけどねェ」
「そうなんですね」
与謝野が何かのメモを終えて『よし』と呟く。
「買出しに行くけど一緒に如何だい?」
「良いんですか?」
「勿論」
そう云うと何時ものバッグを持って医務室を出ていった。
「ッて訳で買出しの荷持ちを頼みたいのだけど」
与謝野の一言で全員が青褪める。
そして、太宰を注目した。
視線に気づいて顔を上げる太宰。
「ん?私でよければ構いませんよ?丁度、包帯を買いたいし」
ニッコリ笑って引き受けた。
「んじャあ行くよ太宰」
「はーい。あ、新八君も一緒に来給え。街を案内しよう」
「あ、有難うございます」
こうして4人は探偵社を後にしたのだった。
パタンッと閉まった扉を注目している国木田と谷崎。
「重症だな。本来あるべき姿なのだが感心を通り越して気色悪い」
「ははは……でも早く帰ってこれたら良いですねアリスちゃん」
そんな二人の傍にシュンとして立っていた鏡花の頭を谷崎が撫でてやる。
「敦君も、ね」
谷崎の言葉にコクッと頷く鏡花だった。