第18章 異世界コラボ~銀魂編~
「成る程」
敦の顔が真剣なものになる。
「此方からの不要な情報を入れて正確に伝わらなかった場合、上手く行く予定だったものも上手く行かない可能性もある。天人の産物かもしれないと云っていたネックレスだけど本当は私達の世界の異能力が原因かもしれない」
「………そうだね」
たった数言話しただけで此処まで考えがまわるなんて。
敦はアリスに唯唯、感心している。
「でも恋人はなんで?」
「………。」
アリスが湯呑みを置く。
「治兄達のことだから私と同居していたことは知らせてると思うんだよ」
「うん」
「治兄の傍に置きたいけど警戒されたら拙い。となれば、治兄はそう云う『面倒』をみる人という認識をさせることが相手を安心させる1つの術の筈」
「……つまり?」
「曰くありの子の面倒を今までみていたから、その代わりに君達をみるくらい大したことではないと云うアピールが出来る。幸い、私は探偵社一の問題児だし」
探偵社一の問題児かはさておき。
敦は納得した。
確かに、此処は警察署だから安心だがその他の。例えば個人宅だったならば警戒も必要だったかもしれない。
「矢張りアリスちゃんは凄いね」
「そんなことないよ」
ニコニコ笑いながらお茶を飲む。
「今年中に帰れれば良いな」
「そうだね」
カレンダーが指す日付は11/29。
もうすぐ最後の月がやって来る。
何にも判らないまま、今日と云う日を終えたのだった。