第18章 異世界コラボ~銀魂編~
「あ、そうだ。コレ、アリスちゃんに渡すように頼まれてたんだった」
「?何コレ」
疑問に思いながらも茶封筒を受け取って、中身を確認する。
「……私、500円って云わなかったっけ?」
「お小遣い…若しくは授業料だと思って受け取ってやんなせェ」
「でも、10倍なら未だしも20倍払ってる人も居るよ、コレ…」
「えぇ!?」
沖田が云うも思わず反論するアリス。
中を見た訳ではなかったためアリスの発言に驚く敦。
「命が買えたと思えば安いもんでさァ」
「!?」
サラリと告げる沖田の言葉に大きく反応する敦。
「…そうかもしれないけど。私は只、見くびられた腹癒せにイヤミを言っただけなのに」
「アリスちゃんらしいや……」
悪びれもせずに云うアリスに苦笑しながら応じる敦。
「何なら俺と一戦交えますかィ?俺が勝ったらそれを返して貰うってのはどうでィ」
「!」
沖田の申し出に、敦が直ぐさま反応する。
「……。」
アリスは3秒程、沖田の方を見つめて首を横に振った。
「辞めとく」
「え?」
応じると思っていたアリスの返答に驚く敦。
「どうしてですかィ?」
「勝てないからだよ」
「え?でも、12人相手でも圧勝だったし1人なら……」
「否、本気出せば絶対に私が勝つよ。でもそれはルールに反する」
「!」
「……。」
本気……あ、異能のことか。
さっきのはまだ本気じゃなかったってわけですかィ。
各々、口に出すことなくアリスの話を聞いている。
「あの勝負事でなら私は確実に総君に負ける。例えば今、不意打ちで攻撃に入ろうとしたところでその攻撃は総君には絶対に中らないよ」
「え…。」
「間合いだよ、あっくん」
「間合い……」
先程の勝負の解説で沖田も言っていた『間合い』
普段、戦闘など行わないアリスなのに。
こんなに瞬時に見破れるものなのだろうか?
「私は私を殺す気が無い人相手なら、大抵「油断」を煽って奇襲に入れる。でも総君と…あとは矢っ張り、銀さんは駄目」
「銀さん?」
「神楽ちゃんを迎えに来たクルクル銀髪のお兄さんだよ。さっき会ったから一寸お話ししたんだけど見た目はだらけてるのに全く隙がない」
「そうなんだ」
「……。」
話しただけで、か。