第18章 異世界コラボ~銀魂編~
「アリスちゃん。出掛けるなら教えてよ」
「あははーゴメンね。散歩の積もりだったから直ぐに帰る予定だったんだよ」
敦がアリスの頭を撫でながら云う。
「それなら良いけど…。独りで帰る方法を探しに危険な処に行ったかと思ったよ」
「帰る方法を?まさかー」
「ははっ。考え過ぎだったみたいだね」
「そんな労力費やしてまで探さないよ?」
「えぇ!?」
首をコテンと傾けながらキッパリと告げるアリス。
それに驚く敦を見兼ねて沖田が続ける。
「昨日の夜も外出したそうにしてたじゃないですかィ」
「それは夜の方が情報が集まりやすいから」
『今は小さなことでも情報が―――』
アリスが云っていた台詞が脳裏をよぎる。
「でも、私達がしないといけないことは帰る方法を探すことじゃなくて、帰れなくても生活できるような手段を得ることだよ?あっくん」
「「!」」
アリスの言葉に大きく反応する敦と沖田。
「お金をどうやって稼ぐか…。それを街を歩きながら考えてたんだけど」
「……。」
確かに。
このまま真選組の方々に甘え続けるわけにもいかない。
帰る方法を探したとして必ず見付かる保証もないのだから。
矢っ張り、アリスちゃんは冷静だな……
先を見据えているアリスに頭が上がらない思いでいっぱいになる敦。
「しかし、敦君ならどうにかなるかも知れねェがアリスじゃ厳しいだろう」
「あ。矢っ張りそうだよね」
うーんと腕を組ながら沖田に同意する。
「??何故です?僕よりアリスちゃんの方がよっぽど優秀ですよ?」
一人だけ理由が分からない敦が質問する。
「見た目が年相応に見えないんでさァ。身分を証明するものがありゃどうにかなるかも知れねェけど…」
「私はあっくんより優秀なんてこと無いよ?あっくんと違って私は私をコントロール出来ないから。」
「どういう意味でィ。」
「黙っておく積もりだったけど、私は見た目相応の…否、見た目よりもっと低い精神年齢ってこと。物事の善悪の区別が一般人から掛け離れてたりするんだよ」
「へぇー」
「だからなるべく誰かと行動するように何時もは云われてるんだよ」
「誰に?」
「保護者に」
「今はそれが敦くんって訳ですかィ」
「そういうこと」