第18章 異世界コラボ~銀魂編~
「またアリスちゃんが居ない……。」
朝練観賞を終え、食堂に来ている敦。
辺りを見渡すも目的の人物の影すら見当たらない。
そんな時
「おはよう敦君!眠れたかい?」
突如、背後から声を掛けられる。
「近藤さん。おはようございます。お蔭様で。」
敦が挨拶を返すと、がははと笑いながら手招きする。
一緒に付いていくと、先に食事していた沖田と土方のテーブルに案内された。
敦の姿を認識すると、もう一人の存在が無いことに疑問を抱いた土方が手を止めて口を開く。
「オイ。あの小娘は如何した?」
「それがまた見失ってしまって。」
苦笑しながら答え、着席したと同時に、息を切らしながら走り寄ってくる人物を捉える。
「副長!買ってきました!」
「ご苦労様だったな。」
はぁはぁ云いながら走ってきた男、基、山崎が手渡したのはマヨネーズ。
「見ない方がいいですぜ。食欲無くなりまさァ。」
「え……?」
土方の目の前にあるのは敦が運んできた食事と一緒のもの。
焼き魚がメインに、白米、味噌汁、香物、副菜の煮物という典型的な和定食。
何に使用するのかマジマジと見ていると隣に座っていた沖田が忠告じみたことを言う。
「!?」
それなのに見てしまった土方のお膳。
「ん?お前も使うか?」
「いいいいいいやっ、ぼ…僕は今、減量中でして!」
「そうか。それじゃ仕方ねーな。」
真っ白に染まった器を見ながらガタガタ震える敦。
「だから言ったじゃないですかィ。」
「………反省してます。」
小声で会話していると男達が敦の方に寄ってくる。
「先刻の少女は一緒じゃないんですか?」
何とも言えない圧力を感じ、少し退く敦。
「あ…アリスちゃん。探してきた方がいいかな。」
「アリスちゃんならコンビニから戻る途中ですれ違いましたけど。」
「えぇ!?」
目を放した隙に、どうやら外出してしまっていたらしいアリスの情報に思わず席を立つ。
「お散歩って笑いながら言ってたからあまり遠くに行かないように言いましたけど……引き留めた方が良かったですか?」
「あ…いや。アリスちゃんなら多分、大丈夫ですけど……。」
大抵の事を笑顔で片付ける子だ。
迷子になることもなければ誘拐されたところで心配しなければならないのは寧ろ相手の方だろう。