第18章 異世界コラボ~銀魂編~
「にしても神楽ちゃんといい、総くんといい全く嘘つかないね。ホント清々しいくらいに」
「いや、嘘つく事だって当然ありまさァ。ってか嘘が判るのかィ?」
「うん」
「何で?」
「猫が教えてくれるから」
「……。」
「なんなら取り調べとか手伝ってあげても良いよ?お金とるけど」
「……考えておきまさァ」
「信じてないね?」
「まあ、正直」
「そりゃそうだよね。まぁ、別に私も信じてもらいたい訳じゃないし如何でも良いんだけどね」
ふぅと溜め息を着くアリス。
「でも…話してる時に何か……。『誤魔化すのは止めた方が良い』と感じさせる『何か』がアリスにはある気がしまさァ」
「ふーん。『何か』か」
少し考えてから沖田の方を向く。
「それも才能だね。若くして隊長さんをしてる理由が判ったよ」
ピクッ
沖田の眉が僅かに動く。
「……何時、俺が隊長なんて言いましたかねェ?」
「総くん自身は言ってないよ。でも周りは『沖田隊長』って呼んでたけど?」
「……。」
「取り敢えず今は小さいことでも情報が要るからね」
「やっぱり只者じゃ無いですねィ」
クスクス笑うアリスに、溜め息を着く沖田。
「さて」
キョロキョヨと辺りを窺う。
そして
「探索にでも行くかなー」
「こんな夜中に?止めなせェ。最近、良くない輩が何か企んでるようなんでね」
「好都合じゃん」
「相手が人間だけなら問題ありやせんが……天人が絡んでやがる」
また天人、か。
「何?天人は強い位置付けなの?」
「……まぁ。色々と面倒なんでさァ」
沖田の顔が曇る。
「お役人も大変だね」
曖昧な返事を聞いて溜め息を着く。
「じゃあ新聞とかない?夜明けまではまだまだ時間あるし」
「それなら下に有りますぜ」
「貸してくれるなら、今夜はそれを読んで大人しくしてるよ」
「……そうして下せェ」
「今夜は」という単語に引っ掛かりはしたもののツッコミを入れずに話を進める沖田。
そうこうしている間にアリスは屋根の端まで歩いていった。
「んじゃ先に降りてるねー」
「はっ?えっ、ちょっ……!」
何の躊躇いもなく飛び降りてしまったアリス。
「やっぱり只者じゃねーや」
その姿を見て沖田は改めて実感したのだった。