第18章 異世界コラボ~銀魂編~
他の子供たちとは何かが違うと沖田の本能は告げていた。
その『何か』は判んねェが……
勿論、警戒を緩める気は無い。
「にしても。こんなに私のこと警戒してるくせに、良く此処に留まることに賛成したね?」
「……。」
「あ、逆にウロウロされるよりマシなのか。」
「違いまさァ」
「違うの?あの目付きの悪いお兄さんよりも貴方の方が強く反対すると思ってたのに」
首をコテンと傾げる。
実際、アリスの云う通りだ。本来ならば警戒すべき『何か』を備えてる子供など置くべきではないと反対するところだ。
しかし―――
「……借り」
「え?」
「アンタには借りがある」
沖田の言葉にキョトンとするアリス。
今、借りって言った?
駄目だ。心当たりが全く無い。
「何かを貸した覚えなんて無いんだけど……」
「チャイナ」
「!」
チャイナ…神楽の名前が沖田の口から出てきたことで全てを悟る。
「成程。そういうことか」
「別に恋人とかそんな甘ったるい関係じゃ無いですぜ。ただ…」
「大切な人なんでしょ?」
「……。」
沖田が黙り込むのをクスッと笑って見る。
「あの子は一寸危ういね。目を離すととんでもないこと仕出かしそう」
「本当に凄ェ観察眼をお持ちで」
「あはは。有難う」
誉め言葉に素直にお礼を云うと再び立ち上がる。
「私に云わせれば危ういのは貴方も一緒だけどね。他の人達と違って纏ってる空気に狂気が混ざってる」
「……それはアンタも一緒でさァ。目的の為には手段は選ばないんだろ?」
「まあ、そうだね。一応、控えてはいるんだけど」
ごろんと横になる沖田も、立っているアリスも空に浮かぶ月を見上げる。
「帰るまでの道程は長そうだなあ」
「俺達も出来る限り協力しまさァ」
「おー!じゃあ、お近づきの印に『総くん』と呼ぶことにする」
「俺もアンタ呼びは嫌がられたんで普通にアリスって呼ばせてもらいますぜィ」
ニッコリ笑って頷くアリスに吊られて沖田も少し笑みを浮かべる。