第18章 異世界コラボ~銀魂編~
「此方には居ませんでした」
「此方にもよ」
「抑も僕達以外に誰にも何にも会わなかったね」
「そうですね。一体此処は何処なのかしら?」
3人でうーんと考える。
その時、何かを思い付いたのかハッとする敦。
「あ、もしかして夢の中かも」
「「夢の中?」」
「僕は10時位に眠ったところまで記憶があるからもしかしたらって思って。ハハハ…そんなわけないよね」
「でも、もしかしたら本当にそうかも」
「僕達も10時頃に寝たんです」
「!」
取り合えず、此処は夢の中と云うことで話は落ち着く。
「改めまして。敦といいます。はじめまして」
3人はそれぞれ自己紹介をした後、今日起きた出来事をお互い話し合った。
―――
皆が寝静まる夜半。
アリスは屯所の屋根に立っていた。
何かしているのだろうか?
或いは、何もしていないかもしれない。
目を閉じたまま動かないアリス。
暫く黙ってその様子を見ていたが声を掛けることにした男が一人。
「梯子なんて無かったハズですがねェ。何にも使わずに屋根に登ったり出来るんですかィ?」
声を掛けられて目を開ける。
そこに居たことは初めから判っていたのか。
さして驚くことなく話し掛けてきた人物の方を見る。
「その気になれば空も飛べるよ」
「そりゃすげぇや」
ニッコリ笑って答えるアリスに適当に返事して隣に座る沖田。
アリスも並ぶように座る。
「眠れないんですかィ?」
「否、寝ないんだよ」
「そんなに警戒しなくても近藤さんが客と言ったんですから襲ったりしないでさァ」
「そんなんじゃないよ」
クスクス笑いながら返事する少女を見る。
「アンタ、堅気の人間じゃないな。連れの男からは何にも感じないが……アンタは違う」
「私が気を付けなきゃいけないのは貴方みたいだね。あ、あとあの銀髪のお兄さんもかな」
「……。」
警戒すべき相手をあの瞬間だけで正確に見抜く、か。
旦那はコイツに対して何にもしていないと云うのに。
「まあ特に何かしてたわけじゃないんだけどね。見た目もこんなんだから変に落ち着いてるってよく云われるんだ」
「落ち着き過ぎでさァ」
「そうかな?自分じゃよく分かんないや」
笑いながら云う姿は何処にでも居る女子供なのに。