第18章 異世界コラボ~銀魂編~
「この部屋のものは好きに使ってくれて構わないが、其所の箪笥の一番下の引き出しだけは触らないようにお願いするよ。同居人の引き出しだから。あの子が不在時に扱うのは憚れるのでね」
「「判りました。」」
「妙ちゃんは与謝野先生からの着替えを借りれたし、新八君には多少大きいかも知れないが私のを貸そう」
「何から何まですみません。有難うございます」
「私は和装は持ち合わせていないから、窮屈かもしれないが大丈夫かい?」
「構いません」
―――
「それでは電気を消すよ」
「はい」
「お休みなさい」
布団を3組並べて、太宰、新八、妙の順に並んで寝る。
慣れない環境で中々寝付けないのではと思った太宰だったが直ぐに二人から寝息が聞こえたため安心する。
「疲れていたのだろうね。きっと彼方も……」
布団の上に座り、窓の外を見る。
「――――アリス」
―――
「此処は?」
何にもない真っ白な空間にポツンと立っている妙。
キョロキョロと周囲を窺っていると
「姉上!」
「新ちゃん。此処は何処かしら?」
「判りません。僕も気付いたら此処に」
新八に声を掛けられ、安堵の息を漏らす。
しかし。
「あのー」
二人で会話していると今度は全く知らない声が聞こえ、ハッと其方を振り返る。
立っているのは白髪の少年。
「僕も気付いたら此処に居たんですけど……矢っ張り此処が何処か判りませんよね?」
頬をポリポリかきながら困ったように笑って話し掛ける青年。
「貴方は?」
「僕は中島敦っていいます。貴方達は?」
「「!!」」
その名前に聞き覚えがあり、姉弟は顔を見合わせる。
「私は志村妙です。こっちが――」
「弟の新八です」
「ええ!?君達がお妙さんと新八君!?」
「そういう貴方こそ探偵社の敦さんですね?」
何にもない真っ白な空間に居たのは不思議な現象に巻き込まれた4人の内、3人だったのだ。
「ってことは何処かにアリスちゃんも居るのかな」
「捜しましょう!こんな訳の判らない所に独りで居るなんて心配だわ」
「そうですね。敦さん。そのアリスって人の特徴を教えて下さい」
「あ、はい。えっと……薄い茶色の長い髪に青色の目の女の子です」
敦にアリスの特徴を聞くと、3人はそれぞれ違う方向に歩き出した。