第18章 異世界コラボ~銀魂編~
「……珍しくそのコントに社長も、乱歩さんも混ざッてるンだ。何か意図が有るのかもしれないねェ」
「成程」
「なんにせよ、敦とアリスが戻ってくるにはあの二人が必要な筈さ」
「そうですね」
遠巻きに観ていた国木田と与謝野は他の連中に聞こえないよう、小声で会話をする。
「却説、これから如何するかを話し合っていてくれ給え、国木田君」
「は?」
与謝野との会話で彼方側に意識がいってなかった国木田がすっとんきょうな声を発する。
「いや、なに。私は予定通り、依頼を片付けてくるよ。敦君とアリスの代わりに谷崎君とナオミちゃんを連れていくことにするから。後お願いねー」
そう云うと満面な笑みで国木田の肩をポンッと叩き、二人を伴って探偵社から出ていった。
パタンッ
扉が閉まるまで、太宰を無言で見送ることしかしなかった国木田がギギギと機械のように首を動かし、妙と新八を見る。
そんな国木田の代わりに隣に居た与謝野が口を開く。
「社長。取り敢えず、会議室でいいかい?」
「うむ」
頷くのを確認した後、固まった国木田を与謝野の指示で賢治が引き摺りながら会議室まで連れていった。
―――
「太宰さん。ボクはいいですけどナオミは事務員ですから現場に行くのは……」
「何よ、兄様!」
「まあまあ。依頼は私一人で行く心算だから」
「「!」」
二人が一斉に太宰を見る。
「じゃあ何で……。」
「あの二人を見てるとナオミちゃんがまた落ち込む場面が出てくるかもしれないと思ったのが1つ」
「太宰さんの云う通りです。有難うございます」
ペコリと頭を下げてお礼を述べるナオミ。
「もう1つ理由があってね。今後に左右するかもしれない程の、重要なことをお願いしたいのだよ」
「「えっ。何ですか?」」
息ピッタリで太宰に問う谷崎兄妹。
その二人の様子にか、或いは今から頼むお願い事のせいか判らないが苦笑して太宰は静かに告げた。
「私とアリスの関係を、あの二人には決して話さないでほしいのだよ」