第18章 異世界コラボ~銀魂編~
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「フム。つまり見知らぬ大男に襲われていたところ、そのネックレスが急に光って気が付いたら此処に居た、と」
「はい。信じてもらえるかは判りませんが…」
「まあ、信じるしかないよね。実際に、君達は僕達の目の前に居るわけだし」
乱歩の言葉に探偵社総員で頷く。
「して、乱歩。敦とアリスは何処に」
「恐らく、此の二人の居たところに」
「そんな!危険な場面の真っ只中に何も知らないで行ってしまうなんて!敦さんとアリスちゃんに何かあったら!」
「ナオミ、落ち着いて!」
ナオミが取り乱す。それを宥める兄、潤一郎。
自分の購入したネックレスのせいで二人を危険な目に遭わせてしまうなんて――。
その思いが強すぎて今のナオミは何時もの冷静さを失っている。
「大丈夫だよ、ナオミちゃん。敦君は我が社でも攻勢側の人間だしアリスは云うまでもない。もし巻き込まれていたとしても、その程度の状況など子供の喧嘩に加わる様なものさ」
ヘラヘラ笑いながらナオミに云う太宰。
「でも、その大男達は神楽ちゃん……宇宙最強と云われている夜兎を簡単に捕らえたんです。貴方達のお知り合いの方がいくら強くても危な…」
「新ちゃん!」
新八が太宰の予想を否定する様に発言したせいで、少しは和らいだナオミの表情が一瞬で強張る。
「あ……すみません……」
新八が謝罪するのを見て、福沢が小さく息を吐く。
「心配なのは大男の方だな、太宰」
福沢は太宰の方に目配せしながら話し掛ける。
その意図を汲み取ったのか、大袈裟に溜め息を着きながら頭を抱える。
「そうですね。敦君ならまだしもアリスに手をあげていたら間違いなく殺されてます。嗚呼…だから私の傍に置いていたというのに」
「その気にならなくても殺しちゃうもんねーアリスは。太宰の教育が至ってないから、こういう事態の時に困るんだよ」
乱歩も暖気な口調で会話に混ざる。
「全く以て乱歩さんの云う通りです。反省してます。しかし、不幸中の幸いか!一緒に居るのが他の子の教育係をしている敦君で本当に良かった!」
なんだ?このコントの様なやり取りは。
国木田がツッコミ満載のやり取りを呆れ眼で眺めている。
「あの子達の気を紛らわす演技だろう?」
「!しかし、完全にアリスが問題児になってるぞ?」