第18章 異世界コラボ~銀魂編~
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「あのなぁ。『気が付いたら此処に居た』なんてそんなこと――」
「『有る訳無い』って?あーやだやだ。これだから大人は。人に話を聞いといて理解する気が無いなんて。」
処変わって、真選組屯所内。
「んだと、コラ!」
「アリスちゃん!」
「トシ、落ち着けって!」
「そうでさァ。こんなガキに大人気無いですぜ土方コノヤロー」
「よーし。総悟、表出ろ!」
状況整理をしている筈なのに喧嘩が絶えずに先に進まずにいた。
土方と名乗った男に食って掛かるアリスを制止する敦。
土方側も一斉に土方の制止に入る。
その険悪な空気を壊したのはその場に居合わせていた神楽だった。
「でも本当にアリスの言う通りネ。急にピカッなったと思ったらアネゴと新八が消えて、アリスとそのモヤシが居たアル」
「も…モヤシ?僕の事?」
ガーンとショックで項垂れる敦を、土方相手に興奮していたアリスが冷静さを取り戻し、慰める。
「神楽ちゃん、あっくんを苛めないで?見た目ヒョロヒョロでも、あの大男達の半分を片付けてくれたのはあっくんなんだよ」
「アリスちゃんもアッサリと酷い…」
「そうだったアルか!ごめんネ、あっくん」
アリスの言葉には素直なのか。直ぐに謝る。
「その場に居たチャイナが言うなら信じるしかなさそうで。どうします?近藤さん」
「うーん」
アリスと敦、神楽のやり取りを眺めながら沖田が近藤に話し掛ける。近藤が腕を組ながら唸っていると廊下からバタバタと誰かが向かってくる音がする。
「神楽ぁ!無事か!?」
スパーンッと勢いよく襖が開いたかと思えば、突如響き渡る大声。
その声にアリスは顔をしかめ、敦は声の方を向き、神楽は嬉しそうに笑う。
「銀ちゃん!」
現れた男に飛び付く神楽。
沖田の顔が若干歪み、それに気付いてか土方が溜め息をつく。
「もう少し静かに来れねーのかテメーは」
「緊急事態に静かになんて出来るわけないだろ?これだから大串くんは」
「土方だ!」
ギャーギャー言い始める土方と現れた男、銀時。
「騒がしい連中」
アリスはポツリと呟いた。