第18章 異世界コラボ~銀魂編~
「お前……誰アルか?………!そうだ!アネゴは!?新八は何処アルか!?」
「アネゴ?シンパチ?」
聞きなれない単語に首を傾げるアリス。
「そうアル!アネゴはごっさ美人で、新八は眼鏡ネ!何処に行った知らないアルカ!?」
「此処には貴方以外はあのゴツい男達しか居ないみたいだけど…」
人の名前だったか。
そう理解すると、辺りを見渡しながら目の前の少女に言葉を返す。
「!そ…アルか。良かったネ。無事に逃げられたみたいデ」
「貴女を置いて?随分な人達ね」
「そんなこと無いアル!これは私のせいアル!2人は元々関係無かったのヨ」
苦笑しながら話す神楽を黙って見ているアリス。
嘘は言っていない。
と、云うことは。
この子は『商品』扱いされる理由を理解しているということ。
アネゴと云う女は逃げられたと云うことは恐らく、女子供以外の理由――。
「あの男達、貴女の事を『商品』扱いしていたけど」
「私は夜兎アル。宇宙最強の種族だから仕方ないネ。」
「…え?宇宙…?何、宇宙人の心算なの?」
「つもりじゃなくて宇宙人アル」
「えぇ!?否、でも確かに嘘は言ってない…えぇ!?」
「?お前、天人を知らないアルか?お前も天人っぽいのに」
「初耳だよ!私は人間だし!あ!記念に握手してもらっても良いかな!?」
宇宙人という神楽にアリスが興味をもつ。
「いいケド…手、後ろアル」
「ああ、そうだった」
興奮から冷静さを呼び戻す神楽の一言。
「こんなに拘束するなんて酷い人達だね」
「仕方ないアル。さっきも言ったケド私は夜兎アル。普通の枷なら簡単に壊せるし、あんな奴等に負けないネ」
「そうなんだ」
ってことは普通の枷じゃないのかな?
見た感じ、造りは同じにしか見えないけど…
「私は神楽アル。お前は?」
「私はアリスだよ」
自己紹介を済ませながら枷を触る。
同時に鍵穴から小さくカチッと音が聴こえた。
取り敢えず『ワンダーランド』は通用するみたいだね