第18章 異世界コラボ~銀魂編~
「きゃあ!」
「姉上!!」
「アネゴ!」
男が妙の首に腕を回し、持ち上げる。
「姉上を放せ!!」
木刀を構え、新八が叫ぶ。
「もう止めるヨロシ!抵抗なんて絶対にしないアル!だからアネゴを放すアル!」
涙を浮かべながら必死に懇願する神楽。
自分がもっと警戒していれば。
自分さえ一緒に出掛けていなければ。
後悔ばかりが頭を過る。
「駄目…よ…神楽ちゃ……一緒に帰……」
そんな考えしか浮かばない頭に妙の声が響く。
苦しい筈なのに笑みを浮かべて神楽に言い聞かせるように言う。
「アネゴォ……ッ!」
「ははっ。泣かせるねぇ。じゃあ暫くのお別れだな。俺からたっぷりと遊んでやる。」
ヒヒッと気味の悪い笑いも共に、妙を抱えたまま移動しようとする男。
「くっ!」
「姉上ぇぇぇ!!」
妙は必死に抵抗するも男は全く無反応。
その男を必死に追い掛け手を伸ばす新八。
その指先が妙の身に付けていたネックレスに、触れた――。
カッ!
「何!?」
その場に居た全員が突然、発生した光に耐えられず目を瞑る。その光は暫くの間続いたが、徐々に弱まっていく。
手に有った筈の感触がなくなった男が、一番に目を開く。
「うぅー……眩しかったー。一体何事?」
「……は?」
男は唖然としながら目の前のキョロキョロとしている少女を見る。
「ん?貴方誰?っていうか此処何処?」
先程まで自分が捕らえていたのは黒髪の大和撫子のような女性だったが。
光が収まると目の前に居る少女は人形の様に愛らしい、如何見ても地球人には見えない少女。
「あ、あっくん!大丈夫?」
「ううっ…。僕は大丈夫だよ。有難うアリスちゃん。」
自分達をよそに、トコトコと少女が歩み寄ったのはこれまた地球人には見えない少年。
先程の眼鏡の少年よりは年上だろうか。
「一体、何が起こったんだ…?」
「判んない……けど。あんまり良い状況では無いようだね?」
「何でそう思うの?」
「あれ」
あれ?とアリスが指差した先を見る。
「!」
一人の少女が拘束された状態で……気を失っている様だ。
その姿に敦の顔が曇る。
「ねぇおじさん。あれは貴方達の仕業?」
アリスに話し掛けられて、漸くハッとする。