第18章 異世界コラボ~銀魂編~
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「アネゴと駄眼鏡は関係ないアル!帰すヨロシ!」
手には手錠、足には足枷をつけられて柱に縛り付けられている神楽がボス格の男に言い放つ。
「神楽ちゃん!こんな時まで駄眼鏡は無いよね!」
「うっせー駄眼鏡!ツッコミとかいいから早くアネゴを連れて逃げロ!」
「駄目よ、神楽ちゃん!神楽ちゃんを置いて逃げるなんて出来ないわ!」
「何言ってるネ、アネゴ!私は夜兎アル!こんな奴ら大したことナイネ!だから先に帰るアル!」
必死に逃げるように説得する神楽だが、妙と新八は聞き入れることなく自分達を取り囲んでいる男達を睨み付けている。
目の前に居る男達は一回りどころか二人を足しても敵わない程の体格を各々が持っており、その人数は3倍。
神楽が負けて拘束されてしまってるのも無理はない状況だ。
「何故、神楽ちゃんを狙う!」
「夜兎の女は高く売れる。ただそれだけだ。貴様ら地球人なんかに用はない。まぁ其所の女は俺達の玩具にしてもいいなぁ?」
新八はそんな男達に怯むことなく訊ねる。が、ある程度予想出来ていた答えと、下衆な笑いが返ってきて顔をしかめる。
如何してこんな事になったのか。
今日はよろず屋の仕事もなく、妙の休日と重なったこともあり買い物に出掛けていた。よろず屋の頭である銀時も誘ったがパチンコに行くからと断られた為、3人で。
その道中。
何度か視線を感じていた神楽だったが、2人に心配を掛けたくないという気持ちと、楽しい1日にしたいという気持ちが強くて言わないことを選択した。
美味しいものを食べて。
色々な物を見て回って。
妙は神楽に可愛い髪飾りを、新八には眼鏡をプレゼントし、自分にはネックレスを買っていた。
それらを早々に身に付けて、楽しい気分で帰宅している途中だった。
――もう少し警戒していればこの様な事には成っていなかったかもしれない。
その帰宅途中、突如として現れた男達に神楽は大切な傘を奪われ、一気に畳み掛けられた。
そして、今に至る。
「クソッ、これさえ外れたらっ!」
ガチャガチャ云わせながら抵抗してみるも手足に填められた拘束具は夜兎専用の物のようで、全く力が入らない。
そして傘を奪われても日差しの中で暴れまわったせいで正直、体調も優れない。
完全に勝ち目が無い――。
悔しさのあまり、血が滲むほど自分の唇を噛み締めた。