第18章 異世界コラボ~銀魂編~
アリスは、否定しながら敦の手の中にある石を眺める。
「?この石……何か変」
アリスが急にその様なことを呟き、ジッと見つめる。
「え?」
「何が変なんですか?」
その呟きに反応するネックレスを持っている敦と、持ち主のナオミ。
「上手く云えないんだけど他の石とかとは全く違う、何か不思議なオーラを纏ってると云うか、不思議な波長をしていると云うか……」
「アリス、敦君。早くしないと日が暮れてしまうよ」
アリスがうーん唸りながら説明していると、待ち草臥れたのか欠伸をひとつしながら太宰が待ち人二人に声を掛ける。
「あ、すみません!」
「今行くー」
敦が慌てた様子で反応し、アリスはのんびりした口調で返事すると
「気のせいかな」
人差し指でその石を軽く突ついた。
その時だった。
カッ!
「「「!?」」」
そのネックレスの石から目を開けていられない程の眩い光が放たれ、事務所内全てを覆い尽くす。
然し、その光は暫くすると徐々に弱まり、消えていった。
光が感じられなくなると、一同はゆっくりと目を開ける。
「一体何が……」
起こったのか。
そう一番に呟こうとした太宰の声に、全く聞き覚えの無い男女の会話が被さる。
「姉上!大丈夫ですか!?」
「コホッ……ええ、新ちゃん。私は大丈夫!それよりも早く神楽ちゃん……を………?」
「「「………。」」」
深刻そうな顔でやり取りをしていた二人を黙って見ている四人。
先程までその場に居た筈の二人では無い男女がいて、居た筈の二人の姿が見えない―――。
「敦君?………アリス……?」
「貴方達は…誰?」
お互いがお互い、混乱した様子で動けずに居た。
そんな状況で、バンッと勢いよく事務所の扉が開く。
「おい!先刻の光は何だ!?敵襲か!?」
仕事から戻ってきた国木田と、階下で偶々会った福沢、乱歩のペアが息を切らして入ってくる。
そんな3人に呆然としながら太宰が答えた。
「敦君とアリスが――――消えた。」