• テキストサイズ

【文スト】不思議の国の異能少女

第17章 人形の館


―――

2番目の部屋の中央部。

仲良く座ってから話始める二人。

「最近、スラム街から子供たちが消えていってるって噂が立ってて」

「ふーん。まあスラム街の連中なら消えても咎める人が居ないもんね」

「うん……」

「それとアキトが動く理由が全然繋がらないんだけど」

「最近、子供の臓器の値が高騰してるみたいで密売組織の動きが活発らしいんだ」

「……続けて」

「それでスラム街の子供から狙われていた様なんだけど……」

「健康とは云えないスラム街の子供を狙うなんてねえ」

「それだよ!」

「え?」

アキトが思わず大声を上げる。

「アイツ等、慈善団体を装ってスラム街の子供たちに衣食住を与えて、集め出したんだよ」

「……成る程。うまい話には裏があると云うことも忘れてしまう程に快適な生活をさせてもらったのか」

「そう……それで××が子供たちを取り返すためにその施設に殴り込んだ!」

「いや、一寸待って。××って誰?」

「あっ!」

アリスが指摘してハッとするアキト。

「××は僕が施設から抜け出してスラム街に行ったときに善くしてくれた人でその辺の子供のリーダーみたいな人だった」

「あー…漸く判った。ポートマフィアとして来た訳じゃなくて、友達を助けるために来たんだね」

コクッと頷くアキトを見て溜め息を着いた。

ポートマフィアに入ったアキトを頼って、幼い子供たちがお願いに来たのか。

「じゃあポートマフィア……中也兄はこの事は知らないんだね?」

「うん。出掛けてくるとしか云ってないから」

「それは良かった」

「?何で?」

あまり事を理解出来ていないアキト

「私が動いてるってことは探偵社の社員が駆け付けるってことでしょ?」

「あ!」

「はあー。しっかりしてよ……本当にマフィアでやっていけてるの?」

「……多分」

呆れてモノも云えないアリス。
中也の苦労が目に浮かんだ。

「その友達は居た?」

「うん……貧困街の部屋にそっくりな人形が居た……きっと捕まっちゃったんだ」

「そう」

落ち込むアキトにアリスが立つように指示する。

聞こえてくるのは足音。


そして、透明の壁に映るのは人の形を影だ。
/ 565ページ  
スマホ、携帯も対応しています
当サイトの夢小説は、お手元のスマートフォンや携帯電話でも読むことが可能です。
アドレスはそのまま

http://dream-novel.jp

スマホ、携帯も対応しています!QRコード

©dream-novel.jp