第13章 買い物
「●○は私に殺される運命にあるよ。ポートマフィアはこの一件から手を引くと云ったし、簡単に始末出来そうで良かったって思ってるところ。」
「!!」
アリスはニッコリと無邪気そうに笑って告げる。
その行為が男の恐怖心を更に煽り、呼吸すら真面に出来ずにいる。
「もう一回だけ聞いてあげるね?」
「!?」
此処で話さなければ殺される!
男は確信した。
「――●○との関係は?●○は何故、人身売買を始めたの?」
「●○は臓器提供を…ドナーを探しているって噂を聞き付けたんです。」
「ドナー?」
予想外の解答に首を傾げる。
そして何かを思い付いたのか、ぽんっと手を叩く。
「嗚呼…そういうことか。」
そこまで聞くと一人で納得して椅子から立ち上がる。
急に動き出したアリスにビクッとする男。
「確か●○には一人娘が居た筈だから、その娘のドナーを探していたのね?でも見付からずに居たところ、貴方達が『ドナーが居なければ作れば良い』って唆したってわけか。」
「!」
「そして最初は、最近稼ぎの良い人身売買の手伝いをさせ、そうして得た金を●○に渡し、もう引き返せない事を認識させる。」
「っ……!」
「拐った女達を適当にバラしながら娘に合う臓器を探して取引を続けたけど、事が大きくなり始めた。其処でスキャンダルを起こし、目を逸らさせた――か。」
真相を知りたがった割には詰まらなそうに云う少女から、男は目を放すことが出来なかった。
「何で……ドナーってだけで……。」
「貴方達が拐った女達の年齢層は10代半ばから20代半ばまで。奥さんの臓器を探しているとは考えにくい。まあ、私は医者じゃないから臓器に年齢が関係あるのかとか詳しくは知らないけど。」
やれやれと云いながらも男の質問に律儀に答えるとアリスは男にゆっくりと近付いていく。
「ヒイッ!?」
「そんなに怖がらなくても良いじゃん。先刻も云ったけど貴方達が私を拐ったんだよ?」
男は後退りしながらアリスとの距離を離そうとするが普通に歩けるアリスにとっては無駄な抵抗でしかなかった。直ぐに背中が部屋の壁に触れる。
「貴方達に拐われても治兄に心配もしてもらえなかったし、それどころか絶対に怒られる事をしなきゃダメだったし…最悪な気分なんだよ。」