第13章 買い物
「私達は武装探偵社の探偵だよ。」
「!武装探偵社って……警察とかが手に負えない事でも解決するって云う、あの能力者集団の……?」
「多分その集団だねェ。」
与謝野の言葉に笑顔が浮かぶ女たち。
「道理で、あんな幼い少女がこんな状況で落ち着いて推理したり出来たわけですね!」
「アンタ幾つだい?」
「私は今年で十六…高2です。」
「アリスは見た目あんなだけどアンタより歳上だからねェ。落ち着いてて当然さ。」
「「えぇ!?」」
「それは良いとして。如何するかねェ。」
「アリスちゃん…無理してないといいけど…」
女たちの驚いた声をよそに話を戻す与謝野と鏡花。
そんな時だった。
『――?―――。』
『―――。――――。』
「「!?」」
突如、扉の向こうから話し声が聞え、全員に緊張が走る。
聴こえてくる声に耳を済ませる与謝野。
そして、何かに気付き、大声を上げる。
「太宰と谷崎かい!?」
『『与謝野さん!?』』
正解だったのか、向こうも応答する。
『与謝野さーん!鍵が入らないんだけど其方から何かしてなーい?』
如何やら扉を開けることが出来ずに苦戦していた様だった。
「アリスが何かしたみたいなんだ!」
『……成程。そういうことか。』
与謝野の返答で、此の事態に納得し、扉に触れる太宰。
その途端に扉が淡く光る。
「どう?谷崎君。」
カチャリ
「あ、開きました。」
鍵が回り、扉を開ける。
「!思ったより早かったねェ。」
「結構、急ぎましたからね。」
苦笑しながら答える太宰は、その視界に目的の人物が居ないことに気付く。
「アリスは独りで?」
「ああ。済まないね…止められなかった。」
「ははっ。仕方無いですよ。私でも無理ですから。」
そういうと、自分達が進んできた方向と反対側の廊下に目をやる。
「かなりの人数を倒してきたつもりですが未だ敵は彷徨いてます。与謝野さん達は谷崎君から離れないように外に出て下さい。」
「判った。」
「一応、警察も呼んでますが…此処に来るまでにはかなりの時間が掛かるでしょうから残るか帰るかは任せます。」
「気を付けるンだよ!」
「はい。」
指示を手短に出すと太宰は走り去った。