第12章 意図的な再会
結論から云えば知りたかったことは殆ど知ることが出来た。
実験の目的
実験の内容…私以外の皆がされていたこと
実験の結果とそのデータ
関わった人間……スポンサーの名簿
そして、次の実験に向けてこの施設を消す積もりだったこと――
「次の実験の内容だけ何処にも見当たらない…。」
資料室にあったパソコンのファイルを全部開いてみるけど見付からない。
……でもいいか。
とりあえず名簿だけコピーしよう。
後はこの名簿に載ってる人達に『訊けば』いいんだから。
とりあえずそう結論を出して、名簿を印刷する。
「あれ?」
私は確かに『全てのページを印刷する』にチェックをいれたけども。
画面を見た感じじゃあ2枚ほどで済む予定だったのに4枚も出てきちゃった。
なんで―――。
「異能力者…購入リスト……?」
タイトルにそう書いてあった名簿に目を通す。
載っているのは一緒にいた皆や私のではない名前ばかり。
「真逆…次の実験台にする予定の人達!?」
よく見ると名前の横に性別と年齢も記入されている。
「……0歳から3歳までばかり……。」
そうか。全てを認識する前に施設に入れてしまえばそれが当たり前の子供に育つってことか。
でも、そんなに早くから異能力って目覚めてるものなのかな。
いや、考え方を変えよう。
そんなに早くから異能力者なんて判らないならば、その可能性がある子供って事かもしれない。
たとえば親兄弟が異能力者だったとか――。
それなら無関係な子供まで犠牲になるかもしれない!
「早く実験を止めなきゃ……ん?」
リストを見るのを止めて次の行動にでようとした時、一番最後にあった名前に目が留まった。
「夢宮アキト 0歳………。」
その名前は、私に嫌な予感を告げた。