第11章 変化
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「して、状況は。」
それから一時間後。
外出先から戻った社長を交えて会議室に居る国木田、太宰、谷崎の三人。
「取り敢えず、組織の潰れた原因を解明中です。」
「そうか。誰が動いている?」
「アリスですよ。」
「!」
アリスの名前を聞いて福沢の眉が上がる。
そのまま太宰に視線を送ると、それに気付いて小さく頷く太宰。
それを確認して福沢が短く息を吐く。
「でも本当にアリスちゃんだけで大丈夫ですか?相手は組織を破壊できるンですよ。」
「まあ。そうかもしれないが。」
ふぅ、と息を吐き自分の隣を向く太宰。
「大した事では無かったようだね?」
「うん。……草臥れはしたけど。」
「「アリス!?」」
何時の間にか太宰の隣に座っているアリスが頷く。
他の皆が驚くのをよそにケーキを頬張りながら紅茶をかき混ぜている。
「アリスちゃん……もう判ッたの?」
「?うん。だから帰ってきたんだよ。」
自分達の二時間弱は何だったのだろうか。
アリスの言葉に谷崎は落ち込む事しか出来なかった。
「美味しいかい?」
「うん!」
太宰が訊ねると機嫌良く返事するアリス。
国木田が何か云いたそうにアリス達の方を見ているが、社長である福沢は気にしていない様子。
因みに未だ会議中だ。