第11章 変化
封筒から資料を取り出してザッと目を通した国木田が小さく「矢張りな」と呟いたのを聞いて敦がビクッとする。
「詳しく話を聞こうにも組織全部が壊滅しているから理由が全く掴めんようだな。」
フゥとため息を付きながら国木田がいい、視線を二人に移す。
何か嫌な予感が―――。
敦の頬を一筋の汗が伝う。
「敦、谷崎。情報を集めろ。」
「判りました。」
「矢っ張り……。」
谷崎はアッサリと了承し、敦はしくしくと泣く。
「なにも組織を壊滅した相手を片付けろとは言ってない。取り敢えず、何が原因で壊滅に追いやられてるのかを調べるんだ。」
その姿を見て国木田が呆れ声で云う。
「しかし!皆、死んでるのにどうやって調べるんです!?」
「確かに。その「何か」が判かっていればこんなに多くの組織が潰れること無かッた筈ですもンね。」
「………。」
国木田は資料に記してある組織を見る。
有名な密売組織が4つ、悪名高い密輸組織が2つ。
それまでなら良かったが、普通の一般企業が2つ。
合計8つの組織名が並んでいた。
国木田は目を閉じ、何かを考え込む。
「「………。」」
敦と谷崎は黙って国木田が発言するのを待つ。
そう時間も経たない内にゆっくり目を開ける国木田。
「……この界隈にどんな情報でも必ず入手してくる情報屋が居るらしい。金を積めばの話だが。」
「「!」」
突然、突拍子もないことを話始めた。