第2章 夢主
嫌だ!嫌だ!イヤだ!!!
「私に触らないで―――!!!!!」
突然、眩しい光が起きる。
「ぐあっ!」
「?」
なに?何かあったの?
痛みも、こない。
前を見ると、殴ろうとしていた男の人が壁に張り付けに為っている。
同時に、包帯を持って私に触ろうとしていた男の人が悲鳴をあげる。
「!?」
私の目の前に落ちてきたのは2本の腕。
バン、バン、バン、バン、バンッ!
先刻、私を鉄砲で打った男の人が、怖い顔をして鉄砲をまた打つ。
また痛くなる!!そう思ってぎゅっと目を閉じる。
「ぎゃあ!」
短い悲鳴の後、鉄砲を打った人の頭に穴が5個開いた。
其処から先は覚えてなかった。
××の話では、突然、宙に浮いて四角の箱に閉じ籠ったらしい。
最初は透明な箱で眠っている様で、その様子を見ることができたみたい。
でも、大人の人たちが箱を壊そうとしたり、中を覗こうとしたりしたから全く視ることが出来なくなったっていってた。
そして、目が覚めたのが数時間前。
1日と12時間くらい眠っていたらしい。
私はどれくらい寝てたとか分かんなかったけど、凄くスッキリ目が覚めた。
箱は目を覚ましたのと同時に消えてしまったのかな?
あ、そういえば怪我が何処にもない。
痛みどころか、怪我の跡さえ無くなっていた。
その事に驚いていると大人がいっぱいやって来た。
また酷いことをされる!
そう思ったけれど、大人たちを睨み付けることしか出来ない。
でも大人たちは優しい笑みを浮かべて言った。
「酷いことをしてごめんね?もう痛いことしたりしないから一緒に行こう。」
嘘は言っていない。でも…声が震えてる?
「今から行くところには君のように子供がいっぱいいるよ。」
別の大人が言う。
此れも嘘は言っていない。
さあ、行こう。
全員が言う。嘘は言ってないけど、皆、笑顔が一寸へん。
取り敢えず、着いていこう。
そうして着いていった部屋に6人の人が居た。
皆、悲しい表情をして此方を見ている。
その6人の中で一番大人の人っぽい人に「新入りだ。」と大人の人たちが言う。
私は異能力っていうのを持った珍しい存在らしい。
此処は、その異能力者を研究する実験施設であること。
今から実験材料として生活しなければならないこと。
××はゆっくり説明してくれた。
嘘は、言ってない。