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【文スト】不思議の国の異能少女

第10章 予期せぬ再会


「で?何でこんなことになってんだ?」

少し怒った顔をしながらアリスではなく3人に向かって問う中也。

「す…すみません。感情的になってしまって……」

「我々も。坊を…ポートマフィアを見下されて…」

「はぁ?」

「見下すも何も。実際、中也兄が止めなきゃ殺してたのに」

「「……。」」

アリスはまだ少し機嫌が悪いようで冷たい言葉を放つ。
部下は口を閉ざした。

「その人、僕の…俺の両親の事知ってたんです。」

そんな二人を庇うようにアキトが前に出て弁解する。

「……コイツが先刻云ってた元情報屋だからな。」

「え!?そうなんですか!?」

3人が驚きの声を上げる。

予定通りにはならなかったが……予定通りか。

中也は溜め息をつきながら自分の手の下に居る少女に声をかける。

「で、コイツの両親の事しってんのか?」

「知ってるよ。」

「!」

思っていたよりもアッサリとした答。
アキトが大きく反応するも二人は話を続けている。


「ってことはあいつが云うように他殺なのか?」

「そうだね。」

その表情は無のままで。


「教えて下さい!誰が殺したんです!?」

アキトが口を挟む。
アリスはアキトを一瞥すると、直ぐに視線を外す。

「それを知ってアキトは如何する心算なの?」

「決まってます!理由を問い質して………」

「?如何した?アキト」

突然、言葉を途切れさせ何かを考えるようにアリスの方を見るアキト。
それに気付いて不思議そうにする中也。

「僕…貴方に名乗りましたか?」

「!?」

アキトがそう言うと中也がアリスの方を向く。

「いいえ。」

「何故、僕の名を…?僕は貴方の事知らないのに……。」

「ああ。自己紹介が未だだったね?」

アリスはクスクス笑う。
然し、すぐに無表情に戻り、云った。


「私の名前は夢宮アリス。」

「「!?」」


夢宮!?


「貴方の両親と同じ男と女の間から先に産まれた――両親の敵だよ。」
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