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【文スト】不思議の国の異能少女

第9章 パラサイト


「何で?って顔してるね。」

「……理由を知っているのか?」

「聞いたわけじゃ無いけど、予想はついてる。」

ニッコリ笑って男の質問に答える。

その答えに、アリスに詰め寄って肩に手を置き、揺さぶりながら必死に理由を聞く男。

「何故だ!何故、僕は生かされている!?」

「ちょっ…ガクガクしないで。痛い!」

「あ、ゴメン。でも何故だ?!」

「そんなことも判らないなら直ぐにでも処分されるかもね?」

「!」

クスクス笑うアリスの言葉に、顔を青色に染めながら絶望する男。

どうやら死ぬのは怖いらしい。

するとアリスの肩に置いていた手を片方、腰に回し、アリスを抱き締める。

「!!!ちょっと!離してよっ!」

突然の出来事にジタバタ男の腕の中で暴れるアリス。

そんなことお構いなしにアリスの右耳に自分の口許を寄せて必死に懇願する。

アリスが暴れているせいもあり男の口がアリスの頬や耳に当たっている。

「助けてくれ……君だけが僕の…」

その声に

「ねぇ君。その汚い手を退けてくれるかい?」

別の人間の声が重なった。

「「!」」

2人しかいなかった筈の玄関ホール。

それなのに直ぐ傍から男の声が聞こえる。

「な…誰だ!?君っぐばっ……!」

「!!」

男が声に反応して、其方の方を向く。

それと同時に素早く蹴りを入れる声の主。

男はアリスから引き離されるように吹っ飛んで床に沈んだ。

それを確認してから視線をアリスに移す声の主、太宰。

「治兄………如何して此処にっ…!?」

その声の主の姿を確認した瞬間、今度はアリスが顔を青色に染める。

「如何してって…仕事に決まってるじゃないか。」

あははと笑いながら答える太宰。

男に襲われていたところを仲間が助けた。


そんな状況の筈なのに。


「「「?」」」

太宰と共にきていた4人が疑問符を浮かべながら2人を観ている。

アリスが真っ青な顔をして太宰から距離を取ろうとしているのだ。


男に襲われていた(?)時なんかとは比べ物にならない程、怯え方が尋常じゃない。
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