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【文スト】不思議の国の異能少女

第9章 パラサイト


「アリス、言葉を慎め。相手は異能力者だ。時間が空けば空くほど勢力を増し、手に負えない事態に成りかねん。早急に係れ。」

「判りました。行くぞ、谷崎、アリス。」

「はい。」

「やだ。」

国木田が福沢の指示に返事して早速行動に移ろうとするが、アリスは外方向いて動こうとしない。

「アリス。パラサイトについてはお前が一番詳しい。力になってやれ。」

「だから嫌なんだよ。本当にろくな目に合わなかったんだから!」

力説するアリスに溜め息をつく福沢。

「仕方あるまい。国木田、太宰を呼べ。」

「判りました。」

太宰という単語にビクッとするアリス。

「一寸待って!行けば良いんでしょ!?だから治兄には連絡しないで!」

社長の指示で、敦と他の仕事に出ている太宰に連絡するべく携帯電話を取り出した国木田だったが、必死に其れを拒むアリス。

「「?」」

よく判らないが。
大人しく仕事をする気になったらしい。

「事態は急を要す。頼むぞ。」

「判りました。行くぞ」

漸く、男と3人が動き出した。

「………社長の意地悪。」

アリスは部屋を出る際に捨て台詞を吐くのを忘れなかった。

―――

「にしても何故パラサイトに詳しいんだ?」

相手がどの様な容姿で、どの状況で逃げたか等、きちんと把握すべく、とりあえず逃走現場に向かって男の運転で移動している3人。
その車中で国木田がアリスに尋ね、谷崎も注目する。

「『パラサイト』は今から約10年前位から発足している組織なんだよ。」

「!」

「10年!?随分前から在るンだね。」

谷崎が驚きの声をあげると同時に、運転しながら男も反応する。
谷崎と同じような反応を示した故に、如何やら知らなかった事の様だ。

「お前10年前から関わっているのか?」

「冗談でしょ。私の事、何歳だと思ってるの?」

「……すまん。続けてくれ。」

ムッとするアリスに素直に謝り、続きを促す国木田。
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