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【文スト】不思議の国の異能少女

第8章 爆破予告


「待って!私はもう死にたくなんかない!」

「解除釦は此れだ!――っ!何で止まんねーんだよ!!」

各々、自分に出来る行動を取るも時間だけが無情に過ぎる。

9…

8…

「乱暴な事して悪かった!どんなことでもして謝るから許してくれ!!」

完全に無視を決め込まれる男。

6…

5…

「アリス、某ケーキショップのイチゴタルト、直径21糎のホール。」

ピクリッ

3…

「某紅茶専門店のアッサムも付けるぞ!」

1………

『0』の数字に変化する事なく爆弾は宙に浮いたまま。
その様子に全員が安堵の息を吐く。

動いたのはアリスだけだった。

「おっと。」

アリスが太宰に抱き着く。

少しよろけるも難なく受け止め、アリスの頭を撫でる太宰。

その瞬間に爆弾が浮力を失い、地面に落下した。

「最初から機能を『停止』して、『タイマーだけ』を動かしていたんだね。」

落下する爆弾を目で追った後、アリスに苦笑しながら話しかける。

「当たり前でしょ。治兄達は兎も角、国兄とあの人達は無関係だもん。殺す気なんて最初から無かったよ。」

国木田と支配人達を見ながら答えるアリス。

「俺達も生きた心地しなかったがな。」

国木田の言葉に大きく頷く支配人達。

「否、さらりと物騒なことを言わないでおくれ。私が悪かった。反省するよ。」

「判れば良いよ。」

ニッコリ笑って太宰の懐に顔を埋める。
如何やら少し眠いらしい。

太宰は苦笑して、ひょいとアリスを片手で担ぐ。


此方も元鞘に戻ったか。
本当に人騒がせなカップルだ……

国木田が溜め息を付く。

「にしても、爆弾の機能の停止まで出来るのか…」

「デジタル時計のアラームに配線を繋いだタイプだったからね。通電さえさせなければ爆破なんて簡単に防げるよ。」

「そんな…見ただけで簡単に解除出来ない様に複雑な配線にしたのに……。」


犯人が頭を抱えて崩れ落ちたと同時に、軍警が駆け付け、爆弾処理班が盾を構えて突入してきた。
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