第8章 爆破予告
「爆弾は全て此処に回収した。解除しないと貴様も吹き飛ぶぞ!」
「はっ!誰が教えるかよ!っていうか○○○裏切ったな!?」
「●●●愛している!」
各々が各々の言いたいことを述べており、事態が収集つかない状態になる。
イラリッ
「「!?」」
突如、全員の背筋が凍る程の殺気が部屋を包む。
「どいつもこいつも…。」
聴こえてきた、ドスの効いた声がした方を全員がゆっくりと向く。
その方向に居るのは、先程まで刃物を突き付けられて爆弾と共に拘束された少女のみ。
解っているけど信じたくはない一心でみるも、其処に居るのは間違いなくその捕縛少女こと、アリス。
それまで大人しく縛られていたアリスが口を開いたと同時に、ビニールヒモと爆弾が足元に落ちる。
「お…おおお落ち着け、アリス!な?」
「アリス、もう帰れるからね?そんなに怒らないで……」
「『ワンダーランド―――』」
2人が必死にアリスを宥めるかいも虚しく、5個の爆弾がアリスの目の前に浮かびあがり、国木田の持っていた2個もアリスの前に引き寄せられるように移動してしまう。
「「!!!」」
爆弾が宙に浮かぶ光景ですら太宰と国木田以外には驚愕の光景なのに、爆弾のタイマーの数字が急に様々な数に変化しており、何かが起こる前兆だと全員が恐怖する。
「そこの女も死にたかったらしいし、犯人もこのまま灰に成りたいらしいから……その願い、私が纏めて叶えてあげるよ…。」
笑顔で言うも、眼が完全に笑っていない。
完全に切れてる……。
太宰と国木田が冷や汗を流しながら打開策を考えるも、それが浮かぶ前にアリスの方が行動にでてしまう。
「カウントダウン―――10秒前。」
「「!?」」
アリスがそう告げた瞬間、爆弾の全てのタイマーが10秒の表示になった。