第8章 爆破予告
アリスが爆弾に触れると、表示されていたカウントダウンが止まる。
「此れは私が持っておくね?」
「一体、何をしたんだ?」
「ん?見ての通り、時間を止めただけだよ?」
「……そうか。」
本当に何でもアリだな…と心の中で呟く国木田。
「1階が左側ってことは3階は右かな。」
「此処からは手分けするぞ。俺は7階から―」
「私が7階から行くよ。国兄は3階から降りていって。間に合わなかったらあの6人を連れて逃げてよ。」
「!駄目だ!」
アリスの提案を真っ向否定する国木田。
「国兄は責任感強いから時間ギリギリまで探して、間に合わないイメージだもん。」
「イメージで俺を語るな!駄目なものは駄目だ!」
「それに比べて私は、別に爆発したとしても如何でもいいから。間に合いそうになければアッサリと見捨てて逃げるし大丈夫だよ。」
「!」
ニッコリ笑って告げるアリス。
確かに自分に関係無いことは興味が無いアリスの事だ。例え大惨事に成るとしても本当にアッサリと見捨てるだろう。
恐らく嘘は言っていない…。
はぁ。と短く溜め息を付き、国木田が渋々アリスの提案を受け入れる。
「時間内に見付けるぞ。」
「頑張るから帰りにケーキ買って欲しいなー。」
「嗚呼、好きなだけ買ってやる!」
そういって2人は走り出した。