第7章 陽の当たる場所
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「▲▼選んで下さい。話すか、死ぬか。」
国木田が政治家の▲▼に真顔で言う。
「何の事だ?私は疚しいことなど何一つ無い。殺される覚えも無い。」
「異能力者開発実験。」
「「?!」」
太宰が静かに告げると▲▼と国木田が大きく反応する。
追い打ちを掛けるように太宰は続ける。
「貴方の兄、△▽は事故死したそうですね?」
「!」
「表向きはそうなってますが、実際は何者かに殺されたのでしょ?」
「何故それを…!」
ニッコリ笑って言う太宰に、焦りの声を交えて返事する▲▼。
そんな話は初耳だぞ!?
国木田は目で訴えるも、太宰は構わず続ける。
「相手は名の通ったマフィアですらたった1日で壊滅に追い込める程の力の持ち主です。私達とて一瞬で始末できるでしょう。その後に貴方は生きていられると思いますか?」
「マフィアが壊滅した事など何故知っている!▽▲が話したのか?!」
ボロが、出た。
「国木田君、マフィア壊滅の隠蔽工作を働いてる者が居るそうだよ。恐らく軍警かな。メモしたかい?」
「言われるまでもない!」
「!」
しまったと思う▲▼だが、時すでに遅し。
マフィアと関わっていた事を認めてしまったようなものだ。取り繕うことは出来ない。
2人は項垂れる▲▼を挟むように立ち、根掘り葉掘り話を聞き出した。
―――
「此処だね?」
太宰の問に▲▼が力なく頷く。
案内された場所は製薬会社の研究所――。
アリスが動く前に此の施設をどうにかしなければ……。
「行くぞ。」
国木田の声で行動し始める3人。入って直ぐに▲▼が辺りを見渡す。
「おかしい。」
何時もと違う様子なのか、▲▼は落ち着かない様子で呟く。そして太宰達に言う。
「何時もなら出迎えがあり、実験場まで案内してくれる筈なんだが。」
「!真逆―――!」
▲▼に案内させ、実験場まで急ぐ3人。
バンッと勢いよく扉に入り、眼に入ったのは血塗れで倒れている人間達。
ヒイッと小さく悲鳴をあげ、▲▼は腰を抜かす。
太宰が周囲を確認すると、機械で溢れているその部屋の奥の壁にもう1つ扉があり、半開きの状態であることに気付く。
「・・・。」
太宰と国木田が頷き合い、▲▼を残して先に進む。