• テキストサイズ

【文スト】不思議の国の異能少女

第7章 陽の当たる場所


―――

「国木田君、何処に行く積もりだい?」

「取り敢えず今回の誘拐事件で、唯一遺体で発見された被害者の周辺だ。」

「この子だけ違う事件に巻き込まれた可能性が高いのに?」

太宰は資料に目を通しながら国木田に問う。

「嗚呼。だからこそ何か手掛かりが得られるかもしれん。」

「氏名◇◇、年齢は5歳で性別は女。7人目の行方不明者として捜査にあたるも昨日、遺体で発見される。遺体には複数の切傷と銃痕…か。少女相手に随分、惨い殺し方だね。」

一通り資料に目を通し終わり、息をつく太宰。

「他の7人は未だ見付かっていない。これ以上犠牲を出さないためにも尽力せねば。」

話しながら住宅街に足を踏み入れる太宰と国木田。


「噂には聞いていたが結構な裕福層が住んでるようだね。」

「此処は、⊿⊿議員が資金を提供して設立した、安全・快適をコンセプトにしたモデルタウンだからな。」

暫くその中を歩き回る2人。

「流石、安全を唱うだけあるよ。彼方此方に防犯カメラがある。」

「勿論、防犯カメラの録画の解析も済んでいる。然し、誘拐現場どころか不審な車や人物も一切映っていなかったそうだ。」

「この数のカメラの死角を付くなんて不可能だ。映像の偽装か、或いは―――」

「異能力か。」

国木田の予想と意見が一致した太宰が頷く。

「成程。その可能性を前提に俺はもう一度、防犯カメラの映像の解析に当たる。お前は此のまま聴き込みを続けてくれ。」

「了解。」

そういうと国木田は電話を掛け始めた。
恐らくは知り合いのハッカーだろう。

太宰はそのまま歩き始める。
自分達の近くに住む人間が犠牲になったのだ。辺りは人の気配すら感じられない。

彼方此方を見渡しながら暫く歩くと

「…公園か。子供が集う場所ならば何かあるかも。」



いつの間にか公園の入り口に来ていたのだ。
/ 565ページ  
スマホ、携帯も対応しています
当サイトの夢小説は、お手元のスマートフォンや携帯電話でも読むことが可能です。
アドレスはそのまま

http://dream-novel.jp

スマホ、携帯も対応しています!QRコード

©dream-novel.jp