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【文スト】不思議の国の異能少女

第1章 情報屋


その様子をふふっ、と笑いながら見ていたアリス。

「いいコンビだねー。愉しそうだなー。」
そう呟いた瞬間に、目の前にあった弾丸の壁が崩れ落ちる。

それ以降、アリスは何もせずに2人が仕事を終えるのを待つことにした。

只、此処から終焉までそう時間が掛からなかったのは云うまでもない―――。



大男以外を始末し、大男を拘束する。

情報を聞き出すためかな。
アリスは太宰の指示に耳を傾けつつも、死体になった男たちを見て回っていた。

年齢層はバラバラで、自分と同じ位の子供もいれば、中年以上高齢未満程の者も居た。

「誰か捜してんのか?」

不意に声を掛けられ、肩が少し上がった。
中也だ。

「終わったの?」

「ああ。手伝うか?」

首を横に振る。

「次の依頼が人探しだから一応、確認してただけだよ。」

ニコッと笑う。
そうか。と中也が返事すると同時に太宰も戻ってきた。
手には放置されていたアタッシュケースを携えていた。

「此れで漸くゆっくり休める。」
「全くだ。」

2人とも溜め息に近い一息をつく。

「良かったねー。私のお陰でしょ?」

えっへん、と胸を張って言う。
そんなアリスを見て太宰が頭をぽんぽんと叩き、アタッシュケースを差し出す。

「全く其の通りだよ。噂通りの情報屋だねアリスは。」

受け取ったケースが予想以上に重かったのか。
少し蹌踉けるアリスを中也が支える。
「有難う」と満面な笑みを向けられ、思わず顔を背ける。
少し顔が赤い。

「あれー?中也。如何したのかなー?」

「うるせぇ!放っとけ、糞太宰!」

「?」

ニヤニヤしながら中也に話し掛ける太宰と、そんな太宰を怒鳴る中也。
疑問符を浮かべるもニコニコしながら2人のやり取りを見ているアリス。

「仲良しだねー、お兄ちゃん達。」

「「それは誤解だ。」」

即ツッコミが入る。息もピッタリだ。

「じゃあ私はそろそろ帰ろうかなー。良い子は寝る時間だもん。」

アリスはふぁーっと欠伸をして、少し涙目になった目を擦る。

「お前、今幾つだ?」

「んー?11だよ。確か、お兄ちゃん達とは伍つ離れてるかな?」

「……。」

「此れは凄い。クライアントの事もきちんと調べてあるようだね。」

「うーん。普段は調べたりしないんだけどねー。」
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