第1章 悲しい別れ
しばらくしてジンからシェリーが死んだと聞かされた時の悲しみようといったら凄まじく、自分も死ぬのだと一週間程食事を拒否したくらいだ。
結局意識を失った所を点滴で対処されたが、それからも随分と引きづった。
悲しみにくれる愛紗を慰め、宥めたのは、彼女の身の回りの世話を受け持っている構成員だ。
彼は言葉を発する事が出来ず、意志を示さずただ愛紗の世話だけを受け持っているような末端の構成員ではあるが、その時ばかりは愛紗の為に心を尽くした。
その成果と、ウォッカから告げられたシェリーは逃げたという言葉で愛紗は持ち直した。
死んだのでは無かった!それなら生きていないと、そんな思いだった。
ただ疲れて組織から出て行ったのだと思う事にした。
そしていつか帰ってきてくれるのだと。
裏切りではない。
シェリーは少し息抜きをしているだけだと、希望的観測をまるで事実のように愛紗は思って今日もシェリーの帰りを待っている。
そして仲直りをするのだ。