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黒の組織の天才医師()

第3章 おでかけ



小声だったために、下の警官には聞こえなかっただろうが、あまりに迂闊だ。
慌てて抱きしめる力を強めた。

一方でコナンも戦慄していた。
明らかに黒の組織に関連する事柄を言ったからだ。

幸運な事に、小学生がするには規格外の行動はとっていない為、怪しまれる可能性は少ないだろう。
だが、こんな間近に黒の組織の人間がいるというのは心臓に悪い。

さめざめと泣く愛紗を見て、高木は一般人に何をさせているんだと強く思った。
目の前の人を救えないで何が警官だ。

「切ってしまってください!暗号が必ず我々が解読しますから!」
「本当?いいの!」

この場を仕切る立場にある警官の高木に言われ、愛紗は嬉しそうに声を上げた。
すぐさまペンチを手にとった。

世話役は慌てた。
彼の正義感から、都民を危険にさらす事はしたくなかった。
それに目の前の子供はただの子供ではない。まだ可能性は残されている。

「いい事思いついたの!ヒントが出たらすぐ私が2本切るからコナン君は一本切ってね!」

にこにこしながら愛紗は言い放つ。
世話役の鼓動をきいて、大分落ち着いたようだ。

私が2本、と言った所で、世話役を指さしたので実際には、愛紗、コナン、世話役で一本ずつの担当という事だ。

「うん、わかったよ。そうしよう、お姉さん」

この時、コナンは別の爆弾のありかの目星をつけていた。
その事を愛紗と世話役だけに聞こえる声量で話した。、
コナンが一番初めに切るべきコードを担当し、分かった時点で切るという事になった。


だんだんと減っていく数字に、ドキドキする。

愛紗はペンチを持っていない手を世話役とつなぐ。
高木からみれば、その行動から恋人同士なのかと思わせた。
先ほども抱きしめていた事を考えると、自然に感じた。

E,V,I,Tの四文字が出た所でコナンがコードを切る。
続いて世話役、愛紗がコードを切る。

爆発が起きなかった事に、高木は不思議に思った。

「ごめんなさい、怖くて」

世話役に下ろされた愛紗はそう言いながら謝罪する。

「仕方ないですよ」

コナンは高木にこっそりと告げる。
どこに次の爆弾があるのかを。

エレベーターから降りるとコナンは愛紗に話しかけようと、した。
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