• テキストサイズ

黒の組織の天才医師()

第3章 おでかけ


「私、爆弾なんて解除できないよ!だって不器用なんだよ!」
「僕が頑張るからお姉さんは見ててくれたらいいよ」

爆弾は世話役が解除する事になった。
犯人にはコナンが解除していると偽装して。

指示を聞きながら、それより先に行動する世話役を見て、コナンは感心する。
そしてこの人物は誰なのかと想像する。

一緒にいる愛紗と名乗った少女とはどういう関係なのだろうか。
2人の持ち物は変わっていた。
白いバラの花束に酒。

その酒はアイリッシュ、かつてコナンがこの東都タワーで死ぬ姿を見た男と同じコードネームの酒だ。

しかし雰囲気から黒の組織の一員とは思えなかった。

「うぅ~、緊張する!」
「愛紗お姉さん、安心して!僕がちゃんと解除するから」
「そうです、安心してください。手順通りにすれば大丈夫ですから」

見るからにハラハラしている愛紗を宥める言葉をかける。
あと3本のコードを切れば終わる。
その時だった。
自体が急変したのは。

「それじゃあ、そのヒントを見るまで解除できないって事なの?」

晃かに不満げな声だ。
愛紗にしてみれば、ここで死にたくないという気持ちの方が強い。
危険な場所に身を置いた事の無い愛紗の、初めての死への恐怖だ。

「切っちゃおうよ、警察だって暗号みてるんだから、解読できるでしょう?」

死にたくないという気持ちからでる言葉だが、同意は得られない。

上にいた人間たちも退避していくことに、恐怖して涙が溢れて来る。

「うぅぅうう~、ここで死んじゃうのやだよぉ」

泣き出す愛紗を世話役がなだめるように抱きしめる。
自分の鼓動の音を聞かせるように、耳に合わせる。

そこで冷静さを少しばかり取り戻した愛紗は迂闊な言葉を漏らす。

「ここで死んだら、アイリッシュと同じだね……弔いに持ってきた花とお酒は自分達の物になっちゃった……シェリーにも会えずじまいで、悲しい……」
「っ!」
「ッ!」

慌てたのは2人。
世話役とコナンだった。
/ 42ページ  
スマホ、携帯も対応しています
当サイトの夢小説は、お手元のスマートフォンや携帯電話でも読むことが可能です。
アドレスはそのまま

http://dream-novel.jp

スマホ、携帯も対応しています!QRコード

©dream-novel.jp