第3章 おでかけ
「私、天査愛紗って言うの」
「僕は江戸川コナンだよ、お姉さん」
「自分は高木渉です」
自己紹介が流れるように行われた。
下で聞こえた名前に、世話役が驚く。
メールの管理を世話役がしていた事が仇となった。
一方で爆弾のあるエレベーターに取り残さるという不運にあった事に愛紗は焦っていた。
こんなのばれたら絶対怒られるのは必至だ。
別にバレてもいいかもしれないが、当分外出禁止になるに違いない。
世話役はエレベーターの上にいた。
その場で発見した爆弾に対応しようとしていたのだ。
世話役を発見したのは愛紗だった。
上を確認してみようという事で高木に肩車をされて、上った所に居たのだ。
声を出す事を、世話役に指で止められたので黙っていたのを不審に思ったコナンがまた上がってきた。
そして少しでもエレベーターが動いたらこのフロアなんて吹き飛ばす程の威力で爆発する事がわかったのだ。
世話役は声を出さない。
元々そうであるし、爆弾に盗聴器が仕掛けられている事が分かっていたからだ。
爆弾の周りにいるのは子供だけ。
そう思わせておいた方が、犯人も油断するのでは無いかと考えた。
良心があれば、止めてくれるかもしれない。
そんな思惑があった。