【HUNTER×HUNTER】pleats-プリーツ
第34章 34話
「おい、大丈夫かよ。まったく・・お前はなぁ、車酔いするんならバスん中で本なんか読むなよなぁ」
「・・うっ・・・・、すみません・・・」
「ほら、出すならエチケット袋に」
「どうも・・・・・」
最悪だ・・・・
気分も最悪だけど何よりくだらない事で迷惑をかけている私が最悪だ。
普段は車になんか酔わないのに、集中して絵本を読んでいたせいか、見事に気持ち悪くなってしまった・・
今はレオリオに薬をもらい、安静にしている。
「ククル―マウンテンまでは先ほど2時間と言っていたから・・まあ、あと30分の辛抱だな。」
「はい・・、戻さないようにがんばります・・・」
そうしてエチケット袋を抱えたまま、私は観光バスに揺られ
無事にククルーマウンテンへ到着した。
「・・はぁ・・やっと着いた・・。」
「大丈夫?顔真っ青だよ」
「うん・・なんとか。 戻しちゃった方が楽だったかも・・」
手すりにつかまりゆっくり階段を下りていると、ゴンが声をかけ手を貸してくれた。
「おぉ・・・、こりゃすげーな」
「え ここが正門です、別名黄泉への扉と呼ばれております。入ったら最後、生きては戻れないとの理由からです。」
そうガイドさんが紹介するゾルディック家の正門は
私達のすぐ前に立ちはだかり、まるで世界に境界線を引いているかのようだった。
ここから先は別の世界なのだとでも言いたげに
はぁー・・・ しかし想像してたよりずっとおっきい
見上げすぎて首が痛くなってきた
「中に入るにはどうしたらいいの?」
「んー・・、ボウヤ私の説明きいてまして?」
「うん、でも」
「中に入れば二度と生きて出られません、殺し屋の隠れ家なのよ」