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【HUNTER×HUNTER】pleats-プリーツ

第33章 33話



「名前の居た所って、どんな所だったの・・?」

「え・・?」

2人でアレ見てコレ凄い!なんて話しをしている時だった・・

ゴンは先ほどまでとは違い、少しトーンの落ちた声で私にそう言った
気を使って訪ねているようだ・・、あまりそう言った話しはしてこなかったから
聞いていい事なのか解らなかったのだと思う。

「どんな所・・かぁ、平和な所だったよ。生活も凄く平凡だったし・・」

「帰りたくないの?」

「・・・・」

「ご、ごめん。帰りたいに決まってるよね」

「・・・ううん、最初は怖かったし帰りたいって思う事も何度かあったけど
    今は帰りたくないな」

・・・

帰りたくないの?そう聞かれて胸がクッっと押し込まれた。

でも私の言っている事は本心だ
今はまだ帰りたくないし帰れない。

やらなくちゃいけない事がまだまだ沢山あるんだもん・・、帰れないよ。

「変な事聞いてごめんね、でもオレ達と居るときっと名前にとっては良くないと思うんだ」

「・・?どうして?」

「これから行くキルアの家だって、暗殺一家の屋敷って聞いてるし
名前は実際にオレ達のせいで怪我だってしてる・・。」

「何言ってるの?誰のせいでもないよ、ましてやゴンのせいだなんて・・」

「オレ・・、やなんだ。名前が痛い思いしたりとか、辛い思いするの」

ゴンは顔をそむけながら手すりに寄りかかり、苦しそうにそう言った
しかし、そんな事を言われて、私は何故だか大変嬉しく感じたのだ。

「ゴン達と一緒なら、痛くても辛くてもいいの。わたし決めたんだ、もう決心した事だから・・・。」

「・・・・」

「それに、ゴン達と離れ離れになったら。帰る所なんて無い私はこの世界で独りぼっちになっちゃうよ」

「そうだよね、ごめん」

「うん・・」

この話を聞いて、彼はまだ迷っているのだと私は思った。

全ては私が弱いから・・

私がただの人間だから・・

強くならなくては

後ろから追い抜いていく景色は、更に私の焦燥感を攻め立てた・・。

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