【HUNTER×HUNTER】pleats-プリーツ
第33章 33話
「た・ま・ご・・・か?け・ご・は・ん・・・・卵かけご飯?」
「そう!正解!!」
「ふーっ、大方これで覚えたかな。」
私は疲れを吐き出す様に大きくため息を吐くと、ドサッと座席の背もたれに倒れ込んだ。
左を向けば美しい山々が車窓に切り取られ、まるで動く風景画のよう・・
そのせいもあるのか、クラピカの教え方が上手いのか非常に勉強が捗った。
今はゴンに問題を出してもらっていたのだが、本当に到着前にマスターできそうだ。
「後はこっちの絵本を読み解いて、すらすら朗読できる様になれば完璧だな」
クラピカも満足そうにそう言う。
「まさか自分がこんなに暗記できると思いませんでした。本当に教えるのが上手なんですね」
できる事なら期間テスト週間毎にクラピカに勉強を見てもらいたいくらいだ。
「えー、もういいでしょ・・?早く車内探検しにいこうよ!」
「想像以上に飲み込みが早かったな、時間にもまだ余裕があるしいいだろう」
「やったー!レオリオは疲れて寝ちゃったから名前が終わるの待ってたんだ!さ、いこ!!」
「わわ、まってまって」
テキストをしまう暇も与えず、ゴンは私の腕を引いて通路へと出る。
こうしていると本当にただの11歳の少年だ、弟ができたみたい・・
クラピカに静かにする様にと念を押され、私とゴンは列車の全車両を回った
「わぁーー!!」
「ゴ・・ゴン・・ちょっとまって・・」
「名前も早く早く!すっごいキレーだよ!」
その数十分後
長時間の移動で身体を鈍らかしているゴンに振り回され
私はもうクタクタになっていた。
列車の先頭まで行って折り返し、今やっと最後尾の後部ドアをくぐる所だ
これで全部見た事になる・・・・
やっと・・ なんて思いながらもゴンに急かされデッキへ出ると
そこには、森や山々が地平線の彼方まで広がっていて
すぐ近くの田園や民家を物凄いスピードで追い抜いていた。
「すごーい!はやーい!!!」
「ねっ!ねっ!オレこんなのはじめて!」
「わたしも!列車なんて乗ったの初めてだよ」
私もゴンも興奮冷めやらぬと言った感じだ。
手すりにしっかりと掴まりはしゃいでいる、ゴンに至っては前に身を乗り出していた