【HUNTER×HUNTER】pleats-プリーツ
第32章 32話
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「これと・・・それからこれも」
「あの、すみません。必ずお返しします。」
「仕方がないだろう、いいのだよ。」
私とクラピカは昼食後、ゴンとレオリオとは別行動をとり、書店に来ていた。
目に入るのは見慣れない字ばかりだ
そんな中からクラピカは数冊吟味した後、明らかに子供向けの棚に向かい
そこから又数冊とるとレジへ持っていった。
まずは書き取りらしい、それから簡単な絵本も買ってもらう
仕方がない事だと解っていてもなんだか少し恥ずかしかった・・
子供の頃、両親にそうしてもらった事を思い出しながら私は顔を伏せていた。
「筆記用具などは持っているんだったな?」
「はい、学校に行っていたので」
「学べる場所に居たなら何故字が読めないんだ?」
「単純にこの世界の文字とは全く違うからです」
「しかし、今実際に言葉は通じている・・・。字だけが違うのか・・奇妙だな」
そうぶつぶつ呟きながら、クラピカは納得のいかないような面持ちで歩いている。
書店を出た私達は、待ち合わせの広場へ向かっている途中なのだ。
「あ、でもハンゾーさんに貰った名刺、・・・んと コレです。私の使っている文字は」
名刺を出して見せる
「なるほど、それでは言語圏が違うというのか。
なんにせよ、話せるのであれば読めるようになるのも簡単だろう
パドキアに着くまでに50音はマスターしようか」
「着くまでに!?」
「ハハハハッ、そんなに身構えなくても解るまで付き合うさ、フフ・・っ」
クラピカがとんでもない事を言うものだから
少しオーバーにリアクションを取り過ぎたのかもしれない。
笑わそうとしたわけじゃないのに、クラピカにはよっぽど面白かったのか口元も抑えず笑っている
珍しい彼の一面に私もすこし口元が緩んだ。
130422