【HUNTER×HUNTER】pleats-プリーツ
第30章 30話
「その前に一つ確認したい事があるんですけど・・、『不合格者が何を言っても合格できないのと同じく、合格した者を不合格にすることもできない』んですよね。」
「ええ、仰る通りです。貴女の心配するような事は何もありません。」
「わかりました、お話します。」
私は静かに話し始める
サトツさんは相づちをうちながら、何も言わずただ私の話しを聞いてくれた。
「それで私・・助けなくちゃって思って・・。だから2人が無事で本当に良かったんです」
そうして話し終わった時・・、私は不思議と安らかな気持ちだった。
久しぶりに柔らかいベットで寝て気持ちのいい風に吹かれ、鳥の声を耳にしているからだろうか
こんなに緊張がほどけた瞬間は、こちらに来て初めてだ。
不思議だ、穏やかで心地のいい気持ちなのに・・何の涙だか解らないけれど、私はまた涙を流していた・・
泣けば泣く程涙は溢れて止まらない
その量はどんどん増していって、私はとうとう嗚咽を上げながら泣き始めてしまった。
サトツさんの前でこんな子供みたいに泣くなんて恥ずかしい・・
けれど気持ちとは反してぽろぽろと涙は止まらないし鼻水も大変な事になっている
それからしばらく私は子供の様にわんわん泣いた。
泣いている間、サトツさんはずっと背中をさすっていてくれた・・
「落ち着きましたか?ストレスでしょう、貴女が倒れた時も傷は関係ないそうでしたから。
普通の少女にハンター試験は重過ぎたのですね。気にする事はありませんよ、貴女は十分良くやりました。」
「でもっ・・わたし不安なんです・・、これから先どうしたら良いか・・。
もっと危ない事だって沢山あるし、辛い選択もある・・失敗して大事な人達が死んでしまったらって・・考えるとっ・・
それに、皆が皆助けられる訳じゃない・・それを見ているだけなんて・・。わたしには・・・」