【HUNTER×HUNTER】pleats-プリーツ
第29章 29話
「それでは第四試合、ボドロ対レオリオ、はじめ!」
それは本当に試合開始の合図と同時だった
私は何かあればすぐに動けるようにと、キルアの傍で彼だけを見つめて見張っていた・・・はずだった
そう、あまりにも突然の事だった、私の目の前で風が吹いたのだ
瞬きをし、次に目を開いた時には既にキルアはそこには居なかった
はっ、とそれに気づいた私が咄嗟にボドロさんに目線を向ける・・・
驚いた事に、キルアはもうその真後ろに着いていたのだ・・。
!!!!!!!
ここから私が行ってもきっと
間に合わない追いつけない助からない
「どうしよう」と考える余裕すらなかった私は
「っやぁあ!!」
ドカァ!
つい手に持っていたカバンをキルアとボドロさんに向かって投げつけてしまった
!!
投げつけてすぐ、私は周りの目もくれず走り出す
カバンが当たった事により軌道がズレたのか、脇腹を刺されたボドロさん。
致命傷を受けた彼に今度こそ止めを刺そうとキルアが腕を振りかざした間に私は何とか滑り込む事が出来た・・・・
「名前!!!」
「・・・・」
「はぁっ・・あぁっ・・・・っく、・・キルア・・・」
「・・っ」
私は、踵を返し走り去って行くキルアの背中を見ながら・・その場に倒れた・・・・・・。