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【HUNTER×HUNTER】pleats-プリーツ

第24章 24話


「ゴン、私もレオリオもお前がいたからここまでこれたんだぞ
本当に感謝している。」

「オレの方こそ、ありがとう」



委員会からの放送が流れている間、その言葉を聞いた私は思わず涙してしまい
通路の角に寄りかかりながら、ひたすらこぼれる涙を手で拭っていた・・。


「それじゃあまたあとでね」

「!!」

そしてグズグズしている私がはっと気付いた時にはもうゴンは目の前にいて
泣いている私を見上げながら驚いたように目を見開いていた。


「名前さん・・?」

「あっ・・えっと、これは・・・」

「どうしたの?大丈夫?」

「・・・うん、ごめんなさい。出てくタイミングが解らなくて・・さっきの話・・私・・」

顔を合わせられず俯きながら謝った

ゴンは何か探すようにごそごそしている・・

「ごめんね、オレ、クラピカみたいに貸してあげられるハンカチ無いんだ」

そう言うと、ゴンは私に近づいて・・頬に手を当て

指先で涙をぬぐってくれた・・。

「は・・、わ・・・」

「目・・真赤だね」



突然近づいたゴンの顔と、暖かい手の温もりを頬に感じ
私は驚きで言葉も出ず、ただただ顔が熱くなっていく

「あ、ありがとう。ごめんね、気にしないで・・」
ゴンがすっと手を引いてやっと状況を飲み込んだ私は、必死に言葉を紡ぎだす。

「私っ・・前から涙もろくて・・臆病で泣き虫なんだ・・。でも、それは変わらないけど・・私ね、この世界に来てから心が強くなった気がするよ・・。
守りたいものや、成し遂げたい事が人を強く成長させてくれる事を身をもって実感した。

私もあなたに感謝してるの・・・ゴンくん、ありがとう・・」

「・・ううん、オレにも言わせてよ、ありがとう名前さん」



そう自分の気持ちを言いきった時には、何故か心はすっきりしていて・・
思わずゴンを抱きしめてしまっていた。

あまりにもすんなり彼が受け入れてしまうから、苦しいと背中を叩かれるまで私は気付かず、慌てて彼を解放してあげた。


それから私とゴンは今度こそ腹ごしらえをしようと食堂へ向かい、このややこしい事情を説明する事にした。








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