【HUNTER×HUNTER】pleats-プリーツ
第17章 17話
全員話しを聞いてもらう事には聞いてもらえたのだが
結果的には受け入れてくれたのは今の通りでスパーとアゴンだけだった。
私は情けない事にこれ以上なにも言う事ができず、のこのことクラピカの所へ向かった。
「・・やけに元気が無いな、大丈夫か?」
「はい、ちょっと色々・・。私にできる事ってあまりにも少ないんだなって思うと・・」
「 ・・・・・ 無力だと思うなら、強くなればいい。」
デッキの手すりにもたれているクラピカは、静かにそう言った。
「今やれる事が少ないのはすぐに解決でた事ではないが、少しずつできる事を増やしていけばいいのだよ。」
金色の綺麗な髪が逆光にあたり、きらきらと潮風に揺られている・・。
どこかカゲのある悲しげな目は、私を通して過去の自分にそう語りかけているようだった。
ああ、もっと早くこの世界に来れていたら・・、あなたの家族も・・
そう脳裏をよぎってすぐに、その考えを改めなければと思った。
・・・やめよう、それはあまりにもおこがましい。私には何を決める資格も無い
私にはそんな事はできない
私がこの世界をかき回す事はあってはいけない
あくまでも私はこの世界に存在してはいけない人間なのだから。
「ありがとうございます・・、少し元気が出ました。私頑張ってみます」
「ああ、そうするといい。私も何か手伝える事があればそうしよう。」
そう彼が爽やかに笑ってみせるから、つい私の顔は熱くなるのだった。
130320